瀬戸川水系

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治水の現状と課題

近年、計画規模を上回る洪水による災害が全国各地で発生していますが、瀬戸川沿線川の背後地は、焼津市や藤枝市の密集市街地を抱え人口・資産が集中していることから、このような洪水が発生した場合、甚大な被害が予想されます。このため、被害を最小限に抑えるために、関係機関と連携を図りながら、防災体制の充実を図る必要があります。

朝比奈川被害状況(昭和49年7月)の写真朝比奈川被害状況(昭和49年7月)

瀬戸川

瀬戸川の河口付近は上流から流れ出る土砂や、台風時に押し寄せる波浪の影響で大量の土砂が堆積し中洲を作り、これが流下断面不足を引き起こしていました。
しかし、右岸側の焼津漁港の沖合への整備や、激甚災害対策特別緊急事業による左岸導流堤の設置、護岸整備及び河床掘削により、現在ではかなり流下能力が向上しています。しかしながら河口付近では、流下断面不足により、水位が上昇し内水被害を助長する恐れがあるため、洪水時の水位を低下させるための対策が必要になっています。

昭和57年瀬戸川被害状況の写真昭和57年瀬戸川被害状況

朝比奈川

朝比奈川では白岩堰(6.9km)~谷川川合流点(10.1km)において、流下断面不足と周辺の地盤高が低いことから平成2年8月(浸水家屋29戸)をはじめとして浸水被害が頻発しています。
この地域には第2東名自動車道の藤枝・岡部インターチェンジ(仮称)が建設される予定であり、周辺に区画整理が計画されるなど今後市街化が進むことは確実で、治水安全度の向上が望まれています。

昭和57年朝比奈川被害状況の写真昭和57年朝比奈川被害状況

葉梨川

葉梨川井尻堰(5.5km)~滝見橋(7.9km)では下流の改修済み区間に比べ流下能力が低く、浸水被害が度々発生しています。この地区では第2東名自動車道葉梨パーキングエリア、あるいは第2東名自動車道建設に伴う道路整備などにより現在の田畑から大きく土地利用状況が変化していくことが予想され、洪水流出形態の変化への対応が求められています。

梅田川では、瀬戸川合流点から東名高速までの1.3km区間については改修が完了していますが、東名高速(1.3km)~砂田川合流点地区(2.1km)では、堤防高が低く下流区間に比べ流下能力が不足しており、小規模な洪水に対しても氾濫する状況にあります。

この地区では今後、現東名自動車道焼津インターから第2東名自動車道藤枝岡部インターへのアクセス道路の整備が予定されています。すでに商業地や工業地として利用され始めていることなどから、今後ますます道路の整備に伴う周辺の宅地化などの土地利用の変化に対応した河川整備が求められています。

昭和49年葉梨川被害状況の写真昭和49年葉梨川被害状況

石脇川

河口部左岸の石脇川においては、平成3年から頻発する内水被害を解消するための対策として河道改修を行っています。
瀬戸川下流左岸の石脇川流域では、もともと流下能力の低い低平地の田園地帯で田畑が冠水する内水地帯でしたが、近年国道150号バイパスの開通など交通の利便性が高まるにつれ、田畑が埋め立てられ、工場の進出や住宅開発等の都市化の進展が著しく、宅地や道路が浸水するようになる都市化型水害に悩まされており、市民生活に大きな影響を与えています。
また、石脇川の内水氾濫は、国道150号ならびに国道150号バイパスの交通途絶を引き起こしており、防災活動、水防活動および緊急活動にも支障が生じています。

超過洪水対策

出水時は、降雨・水位・流量情報の提供とともに、地域の自主的な水防活動や避難経路の確保等に資する情報の提供を行います。
平常時は、地域が主体となり作成する避難地・避難経路等を明示してハザードマップの作成、公表を積極的に支援します。
また、防災意識の自覚や啓発を図るため、住民参加型の防災教育、訓練についても支援します。