基本情報
水系名
瀬戸川水系(せとがわすいけい)
河川ごとの紹介
瀬戸川(せとがわ)
[延長]26,380m
[起点]峰沢合流点
[終点]海に至る
朝比奈川(あさひながわ)
[延長]25,500m
[起点]静岡市黒俣字向川298番地先の中瀬橋(静岡市葵区黒俣字向川298番地先の中瀬橋)
[終点]瀬戸川への合流点
葉梨川(はなしがわ)
[延長]13,100m
[起点]仙沢合流点
[終点]朝比奈川への合流点
市場川(いちんばがわ)
[延長]1,160m
[起点]藤枝市西方字中山940番の2地先の県道楠沢橋
[終点]葉梨川への合流点
岡部川(おかべがわ)
[延長]5,300m
[起点]静岡県志太郡岡部町岡部字巡沢2698番地先の町道巡沢3号橋(静岡県藤枝市岡部町岡部字巡沢2698番地先の市道巡沢3号橋)
[終点]朝比奈川への合流点
吐呂川(とろがわ)
[延長]2,110m
[起点]静岡県志太郡岡部町内谷字横橋1480番地四ノ宮橋(静岡県藤枝市岡部町内谷字横橋1480番地四ノ宮橋)
[終点]朝比奈川への合流点
谷川川(やがわがわ)
[延長]1,200m
[起点]本沢合流点
[終点]朝比奈川への合流点
野田沢川(のたざわがわ)
[延長]1,400m
【左岸】
[起点]静岡県志太郡岡部町字オンゴウ坂239番の1地先(静岡県藤枝市岡部町字オンゴウ坂239番の1地先)
[終点]朝比奈川への合流点
【右岸】
[起点]静岡県志太郡岡部町古屋敷328番の1地先(静岡県藤枝市岡部町古屋敷328番の1地先)
[終点]朝比奈川への合流点
青羽根川(あおばねがわ)
[延長]1,500m
[起点]戸久石沢合流点
[終点]朝比奈川への合流点
山中沢川(やまなかざわがわ)
[延長]1,000m
[起点]トウザ沢合流点
[終点]朝比奈川への合流点
ユキ沢(ゆきざわ)
[延長]450m
【左岸】
[起点]静岡市富沢字ユキ沢1254番地先(静岡市葵区富沢字ユキ沢1254番地先)
[終点]朝比奈川への合流点
【右岸】
[起点]静岡市富沢字白草1337番の1地先(静岡市葵区富沢字白草1337番の1地先)
[終点]朝比奈川への合流点
梅田川(うめだがわ)
[延長]2,100m
[起点]焼津市越後島213番地先の農道橋
[終点]瀬戸川への合流点
内瀬戸谷川(うちせとやがわ)
[延長]6,100m
[起点]北の谷沢合流点
[終点]瀬戸川への合流点
谷稲葉川(やいなばがわ)
[延長]3,400m
[起点]神ノ谷沢合流点
[終点]瀬戸川への合流点
滝沢川(たきさわがわ)
[延長]5,210m
[起点]菩堤沢合流点
[終点]瀬戸川への合流点
滝之谷川(たきのやがわ)
[延長]3,150m
[起点]大樽沢合流点
[終点]滝沢川への合流点
石脇川(いしわきがわ)
[延長]2,245m
【左岸】
[起点]焼津市石脇下字前島7番地先
[終点]瀬戸川への合流点
【右岸】
[起点]焼津市石脇下字川久保817番1地先
[終点]瀬戸川への合流点
瀬戸川水系の概要
瀬戸川は、藤枝市北部の高根山を水源とし、大井川山地を北から南へ貫き、途中滝沢川、谷稲葉川等の支川と合流しながら、大井川の左岸扇状地で東へ大きく曲がります。その後、藤枝市の中心部を流下した後に、焼津市において朝比奈川と合流して焼津漁港の北側で駿河湾に注ぐ二級水系です。流域面積は179平方キロメートル、幹線(瀬戸川)流路延長は30㎞になります。
河川及び流域の概要
瀬戸川は、流域面積179km2、幹線(瀬戸川)流路延長約30 ㎞の二級河川であり、流域は、焼津市、藤枝市、静岡市の3市にまたがる。その源は藤枝市北部の高根山(EL.873m)に発し、途中滝沢川、谷稲葉川等の支川を合わせながら大井川左岸扇状地内を流れ、藤枝市の中心部を流下した後、焼津市において最大支川朝比奈川と合流し、駿河湾に注いでいる。
瀬戸川流域の上・中流部は、瀬戸川、朝比奈川、葉梨川の3河川が北から南に大井川山地を刻んで流れ、それらの両側の山地からは小規模な河川が急な河床勾配で上記3河川に流入しており、全体として、樹枝状の水系網を形成している。瀬戸川流域の下流部は、奈良・平安時代に志太平野に大井川や瀬戸川が複雑に入り組んだ三角州の様相を呈していたこともあり、主に大井川から運搬された砂礫によって、扇状地が形成されている。また、瀬戸川,朝比奈川自体も上流からの砂礫の供給が多く、下流部でそれらが河床に堆積し、金吹橋や村良橋付近より下流では周辺の地盤に比べて洪水時の河川水位が高い状況となっている。
流域の気候は、温暖多雨で、年平均気温は16.5℃前後(平成7年~平成24 年の平均値、藤枝市消防本部)である。年平均降水量(平成16 年~平成25 年の年平均降水量)は上流部の高根山で3,000mm 前後と極めて多く、台風や低気圧,前線の通過の際には多量の降水がある。
これらの気候特性や地形特性から、瀬戸川は、古くから度重なる洪水被害に悩まされてきた。
植生は、上流部の山間部は、スギ、ヒノキの人工林が広がるほか、シイ、カシ類の自然林も残り豊かな自然環境を示している。また、瀬戸川流域はナナミノキ、ヤマモガシ、エンシュウハグマ等の生息地域の東限ともなっている。
流域の動物として、魚類は滝沢バンバア,アカンバアの呼び名で親しまるアカザ等55 種、エビ・カニといった甲殻類は9種、鳥類は約120 種、また両生類、は虫類はそれぞれ14 種、13 種が確認されている。
流域内の産業については、焼津市は遠洋かつお・まぐろ漁の拠点で、全国でも有数の水揚げ量を誇る漁業基地であり、水産流通加工業が盛んである。また、藤枝市では電気製品や化学関連工業が盛んであるほか、茶、ミカンの生産が多く、特に玉露の産地として全国的に有名である。
瀬戸川流域の属する藤枝市・焼津市は、古くから東海道五十三次の宿場町あるいは漁港として栄え、近年では、県都静岡市のベッドタウンとして発展し、平野部を中心に都市化の波が進行しており、近年では新東名高速道路や隣接する島田市・牧之原市の富士山静岡空港が供用開始されるなど、更なる発展が予想されている。
流域の川に関する文化としては、江戸時代に芽生えた「川除け地蔵」信仰が現在でも地域社会に息づいており、各河川の沿川には数多くの「川除け地蔵」が大切に祀られている。また、川に関する伝統行事としては、お盆の行事である「とーろん(あげんだい)」、「燈籠流し」が行われているほか、秋祭りの「飽波神社大祭」や「朝比奈龍勢花火」や、「高根白山神社古代神楽」などが挙げられる。
瀬戸川に対する地域住民の関心は高く、現在、「瀬戸川流域自然と文化フォーラム」などの地域活動を通じて関係機関,市民グループや行政の間で立場を越えた交流が進んでおり、今後さらに活発化していくことが予想される。
河川の整備の基本となるべき事項
1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項
瀬戸川の基本高水のピーク流量は、既往の洪水と河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスを考慮し、年超過確率1/50 規模の降雨による洪水を対象として、基準地点当目大橋において1,900m3/s とし、これを河道に配分する。
河川名 | 基準地点 | 基本高水のピーク流量 | 河道への配分流量 |
瀬戸川 | 当目大橋 | 1,900 | 1,900 |
2.主要な地点における計画高水流量に関する事項
計画高水流量は基準地点当目大橋において、基本高水のピーク流量と同じ1,900m3/s とする。
瀬戸川水系計画高水流量配分図(出典:瀬戸川水系河川整備基本方針)
3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項
主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る概ねの川幅は以下の通りとする。
河川名 | 地点名 | 河口からの距離(km) | 計画高水位(T.P.m) | 川幅(m) | 摘要 |
瀬戸川 | 河口 | 0.0 | 3.50 ※1 | 124 | |
当目大橋 | 0.36 | 3.18 ※1 | 120 | ||
牛田橋 | 1.76 | 5.17 | 80 | ||
朝比奈川 | 朝比奈川橋 | 1.73 | 5.32 | 110 |
(注) T.P.:東京湾中等潮位
※1 計画津波水位(施設計画上の津波水位)
4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項
瀬戸川水系全体における既得水利としては、農業用水として約1,020ha のかんがいに利用され、そのうち約78ha(最大取水量0.448m3/s)が許可水利となっている。
これに対し、支川朝比奈川の岡部地点における昭和57 年~平成3年の10 ヶ年の平均渇水流量は約0.10m3/s、平均低水流量は約0.46m3/s であり、水系のほぼ全域においても流量は少なく、また、砂礫が厚く堆積している瀬戸川中流部等では、冬場を始めとする少雨期に瀬涸れが生じる状況である。
流水の正常な機能を維持するために必要な流量は、今後さらに、流況等の河川の状況を把握し、流水の占用、動植物の生息地または生育地の状況、流水の清潔の保持、景観等の観点から調査検討を行なった上で設定するものとする。
(出典:瀬戸川水系河川整備基本方針)