大井川水系中流七曲りブロック

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河川の概要

中流七曲りブロックの河川は、大井川本川及び22 の支川の計23 河川からなり、その指定区間の総流路延長は約147km に及ぶ。

 中流七曲りブロックにおける県管理河川位置図
中流七曲りブロックにおける県管理河川位置図(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

① 大井川

(ア)上流部(寸又川合流~長島ダム)

中流七曲りブロックの上流部は、丘陵や山地に覆われて山地渓流の様相を呈している。河川の縦断勾配は概ね1/230 程度で、全区間が山付きである。また、大井川ダムの上流区間は湛水域となっている。
河道幅は狭く、澪筋は蛇行して瀬・淵が連続している。
河道周辺の樹木はケヤキやアカシデ等の渓谷に生育する植物を主体として構成され、川沿いの岩肌にはサツキやイワヒバが生育している。また、渓流を生活域とするアカザ、サツキマス(アマゴ)等の魚類が生息しており、渓流域を好むカワガラスやキセキレイ等の鳥類も生息している。
沿川周辺は、小規模な谷底平野に家屋が点在するほか、山麓斜面は茶畑等の農地として利用されている。

 上流部の状況
上流部の状況(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

(イ)中流部(塩郷堰堤~寸又川合流)

中流七曲りブロックの中流部は、上流部と比較して谷底平野が広くなり、平地には家屋等の資産が多く見られるようになる。河川の縦断勾配は概ね1/220程度で、山付き区間と築堤区間が混在している。また、塩郷堰堤の上流には湛水域が見られる。
河道は大きく蛇行して瀬・淵が連続しており、河道幅は上流部と比較して広いが、蛇行箇所等で河道幅が急縮する区間も見られる。
塩郷堰堤から上流のほぼ全域に礫河原が形成されており、河原環境に依存するツマグロキチョウやコムラサキ、カワラバッタ等の昆虫が生息している。また、支川の合流部等にはツルヨシの群落が見られる。
沿川周辺は、谷底平野に集落や農地が見られ、千頭地区や高郷地区等では家屋や役場等の資産が多く集積している。
また、蛇行する河川と広大な礫河原が特徴的な景観を形成しており、河川敷は公園やキャンプ場としても利用されているほか、釣り客の利用も多い。

 中流部の状況
中流部の状況(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

(ウ)下流部(神座~塩郷堰堤)

中流七曲りブロックの下流部は、中流部と同様に、谷底平野が比較的広く開けており、家屋や農地として利用されている。河川の縦断勾配は概ね1/250 程度で、山付き区間が多い。
河道は大きく蛇行して瀬・淵が連続しており、河道幅は広い。特に塩郷堰堤の下流部の河道幅は広く、広大な礫河原が形成されている。
葛籠地区から笹間渡地区にかけての約4km の蛇行区間は「鵜山の七曲り」と呼ばれ、環境省の「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(略称「重要湿地」)」に選定されている。礫河原には、カワラケツメイ、カワラハハコ等の植物やツマグロキチョウ、ミヤマシジミ、カワラバッタ等の河原環境に特徴的な種が生育・生息している。また、高水敷にはヤナギ林がみられ、森林性の鳥類であるサンコウチョウやシジュウカラ等が生息している。また、ヤナギ類を食樹とするコムラサキが生息している。
沿川周辺は平地部に集落や農地が見られ、家山地区等では家屋や役場等の資産が多く集積している。
また、広大な河川敷を利用した公園やスポーツ広場が整備されており、釣り客の利用も多い。

 下流部の状況
下流部の状況(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

② 伊久美川

伊久美川は、流域面積34.28km2、指定区間延長13.76km の1次支川であり、中流七曲りブロック内で大井川に合流する支川のうち、最下流部に位置する支川である。
河道は島田市伊久美字下ノ日陰地先に源を発し、南流して左支川大久保川と合流した後、県道220 号線に沿ってさらに南流し、下流部で複雑に蛇行しながら大井川26km 地点付近に合流する。
県道に沿って流下する区間では背後地に小規模な集落があり、茶畑などの農地も見られる。また、流域には重要種であるモリアオガエルが生息している。

 伊久美川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

③ 大久保川

大久保川は、流域面積9.85km2、指定区間延長4.5km の2次支川である。
河道は藤枝市瀬戸ノ谷字向山地先に源を発し、西に流下した後、大久保公民館下流で南に向きを変え、その後再び西に流下して島田市に入り、伊久美川に合流する。河道は県道220号線に沿って流下しており、背後地には伊久美川と同様に小規模な集落が見られる。

 大久保川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

④ 福用川

福用川は、流域面積3.40km2、指定区間延長1.18km の1次支川である。
河道は島田市福用地先に源を発し、東に流下した後、大井川28km 地点付近に合流する。大井川合流部付近は小規模な平地が広がっており、家屋や工場などの集落が存在している。

 福用川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑤ 白光川

白光川は、流域面積7.82km2、指定区間延長1.38km の1次支川である。
河道は島田市高熊字大淵地先に源を発し、東に流下して大井川鐵道橋梁を流下した地点で南に向きを変え大井川29km地点付近に合流する。背後地には河道の段丘面を利用した小規模な茶畑が見られる。

 白光川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑥ 身成川

身成川は、流域面積10.93km2、指定区間延長3.7km の1次支川である。
河道は島田市身成地先に源を発し、ほぼ直線状に南西に流下した後、一色付近から複雑に蛇行しながら大井川31km 地点付近に合流する。背後地には所々に小規模な集落があり、茶畑などの農地も見られる。

 身成川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑦ 家山川

家山川は、流域面積31.50km2、指定区間延長5.64km の1次支川である。
河道は島田市川根町家山地先に源を発し、蛇行しながら南東向きに流下し、右支川切山川を合わせ、その後、東に向きを変えほぼ直線的に流下し、大井川33km 地点付近に合流する。上流部には「牛代の水目桜」や「八垂の滝」があり、観光名所となっている。
下流部左岸側の家山地区には、家屋や農地などの資産が集積している。

 家山川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑧ 切山川

切山川は、流域面積2.48km2、指定区間延長1.65km の2次支川である。
河道は島田市川根町家山地先に源を発し、北東に流下して家山川に合流する。河道は山付きとなっており、背後地に家屋や農地などの資産は見られない。

 切山川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑨ 笹間川

笹間川は、流域面積70.77km2、指定区間延長15.5km の1次支川である。
河道は川根本町高山(標高約1,095m)に源を発し、南下した後、川根本町白平付近で南西に向きを変え蛇行しながら笹間上、笹間下を流下し、大井川37km 地点付近に合流する。下流には、笹間川ダムが設置されている。
景勝地の笹間川渓谷がある上流部には、重要種であるモリアオガエルが生息している。

 笹間川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑩ 川根境川

川根境川は、流域面積13.14km2、指定区間延長3.0km の1次支川である。
河道は川根本町下長尾字申坂地先に源を発し、南東方向に流下し、大井川48km 地点付近に合流する。大井川合流部付近には久野脇地区の平地が広がっており、茶畑などの農地や家屋が存在している。

 川根境川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑪ 下泉河内川

下泉河内川は、流域面積17.20km2、指定区間延長1.8km の1次支川である。
河道は川根本町下泉地先に源を発し、山間部を南西方向に流下し、大井川49km 地点付近に合流する。流域の上流部は奥大井県立自然公園に指定されている。下流部右岸側の下泉地区には、家屋や大井川鐵道下泉駅などの資産が集積している。

 下泉河内川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑫ 中津川

中津川は、流域面積3.64km2、指定区間延長0.7km の1次支川である。
河道は川根本町上長尾字中ツ川地先に源を発し、東向きに流下しながら大井川52km 地点付近に合流する。下流部右岸側の上長尾地区には、家屋や農地などの資産が集積している。

 中津川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑬ 川根長尾川

川根長尾川は、流域面積16.99km2、指定区間延長2.0km の1次支川である。
河道は川根本町上長尾字ヨコガレ地先に源を発し、南東方向にほぼ直線状に流下し、大井川52km 地点付近に合流する。
下流部の高郷地区には、家屋や農地、川根本町役場などの資産が集積している。
流域の中上流部には、重要種であるモリアオガエルが生息している。

 川根長尾川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑭ 水川川

水川川は、流域面積6.75km2、指定区間延長1.1km の1次支川である。
河道は川根本町水川字神田地先に源を発し、南に流下して大井川54km 地点付近に合流する。下流部には水川地区の平地が広がっており、家屋や茶畑などが存在している。

 水川川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑮ 榛原川

榛原川は、流域面積24.33km2、指定区間延長1.0km の1次支川である。
河道は川根本町元藤川地先に源を発し、山間地を南東方向に流下し、大井川60km 地点付近に合流する。
源流部の蕎麦粒山のブナ林は、特定植物群落に指定されている。
下流部左岸側には元藤川地区の平地が広がっており、家屋や茶畑などが存在している。

 榛原川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑯ 小長井河内川

小長井河内川は、流域面積14.09km2、指定区間延長3.2kmの1次支川である。
河道は川根本町藤川地先に源を発し、北西方向に緩やかに蛇行しながら大井川68km 地点付近に合流する。流域のほとんどは樹林地であり、上流部は奥大井県立自然公園に指定されている。
下流部左岸側には東藤川地区の平地が広がっており、家屋や茶畑などが存在している。

 小長井河内川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑰ 寸又川

寸又川は、流域面積253.51km2、指定区間延長16.57km の1次支川であり、中流七曲りブロック内で大井川に合流する支川のうち、最上流に位置している。
河道は川根本町光岳(標高約2,591m)に源を発し、寸又渓谷を複雑に蛇行しながら南下し、右支川平野沢、大間川と合流した後、東に向きを変えて、左支川栗代川と合流する。
そこで再び南に向きを変え横沢川を合わせ大井川72km 地点付近に合流する。寸又川沿いは奥大井県立自然公園に指定されている。
上流部には千頭ダムが設置され、中流部には大間ダム、寸又川ダムが設置されている。

 寸又川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑱ 横沢川

横沢川は、流域面積9.01km2、指定区間延長2.2km の2次支川である。
河道は川根本町千頭地先に源を発し、東に流下して寸又川に合流する。指定区間の上流端には、横沢川第一堰堤が設置されている。河道は山付きとなっており、背後地に家屋や農地などの資産は見られない。

 横沢川
(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

⑲ 栗代川

栗代川は、流域面積28.37km2、指定区間延長4.5km の2次支川である。
河道は川根本町千頭地先に源を発し、蛇行しながら南西に流下して寸又川に合流する。河道は山付きとなっており、背後地に家屋や農地などの資産は見られない。

⑳ 大間川

大間川は、流域面積47.18km2、指定区間延長4.4km の2次支川である。
河道は川根本町千頭地先に源を発し、北東に流下して左支川奥湯沢、湯沢と合流した後、寸又川に合流する。河道は山付きとなっており、背後地に家屋や農地などの資産は見られない。

㉑ 湯沢

湯沢は、流域面積1.19km2、指定区間延長0.3km の3次支川である。
河道は川根本町千頭地先に源を発し、南東に流下して大間川に流下する。河道は山付きとなっており、背後地に家屋や農地などの資産は見られない。

㉒ 奥湯沢

奥湯沢は、流域面積2.20km2、指定区間延長0.3km の3次支川である。
河道は川根本町千頭地先に源を発し、南東に流下して大間川に流下する。河道は山付きとなっており、背後地に家屋や農地などの資産は見られない。

㉓ 平野沢

平野沢は、流域面積2.62km2、指定区間延長0.3km の2次支川である。
河道は川根本町千頭地先に源を発し、北東に流下して寸又川に流下する。河道は山付きとなっており、背後地に家屋や農地などの資産は見られない。