大井川水系中流七曲りブロック

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地形

中流七曲りブロックは、大井川上流部の急峻な地形の赤石山脈と下流部の比較的平坦な大井川平野(志太平野)の中間部に位置している。
中流七曲りブロックの地形は、隆起作用と下刻作用(河床を掘り下げる作用)などの影響による笹間渡付近の「鵜山の七曲り」に代表される穿入蛇行※1 が特徴的となっている。また、寸又峡などの上流域では、隆起の著しい山地と流水による侵食の激しい河川との結合の結果、V字型の急峻な渓谷地形が形成され、自然の造形美が良好な景観を創出している。
大井川沿いの地形は侵食による河岸段丘が顕著であるが、大間や渡島などの一部の地区では、大井川の蛇行による侵食力が曲流を切断したのちの旧流路上に形成される環流丘陵※2 も見られる。
※1 穿入蛇行:隆起ないし侵食面の低下のため、曲流していた川が下方侵食を復活し、曲流を保ちながら河床を基盤岩中に深く掘り込んで生じる。
※2 環流丘陵:現在流れている河川の流路と、かつて流れていた河川の流路に囲まれて形成される。

 大井川水系中流七曲りブロックの地形図
大井川水系中流七曲りブロックの地形図(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

地質

中流七曲りブロックの地質は、四万十帯と呼ばれる中生代白亜紀(約8,000 万年前)から新生代第三紀(約5,000 万年前)にかけての堆積岩から構成されている。
中下流域は砂岩・頁岩などの互層と泥岩、上流域は砂岩・頁岩などの互層からなり、褶曲を受け節理が発達し、標高が高く気温の較差が大きいことから風化侵食が顕著である。
また、降水量が多いことから崩壊地からの土砂生産が多く、生産された土砂は山腹や渓床に堆積し下流へ流出する特徴を有している。

 大井川水系中流七曲りブロックの地質
大井川水系中流七曲りブロックの地質(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)