大井川水系中流七曲りブロック

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歴史・文化

大井川は、かつての駿河と遠江の国境であり、また江戸時代には人の移動が厳しく制限されて川越制度がしかれるなど、東海道における交通の要衝であるとともに、最大の難所であった。また、大井川流域には貴重な史跡と文化が現在まで伝承されており、中流七曲りブロックにおいても貴重な天然記念物や文化財が残されている。
現在の中流七曲りブロックでは、19 の文化財(国指定1、県指定6、市指定11、町指定1)が存在している。このうち無形民俗文化財については、国指定重要無形文化財に指定された「徳山の盆踊り」や県指定無形民俗文化財に指定された「田代神楽」、「徳山神楽」、島田市無形民俗文化財に指定された「神尾若宮八幡神社鑽火の神事」、「笹間神楽」、川根本町指定無形民俗文化財に指定された「平谷の流したい」などの地域独自の文化が伝えられている。
また、急流河川の大井川では、河岸を守るための水制技術の一つである「大聖牛」が古くから用いられており、現在でも護岸を守るための治水施設として機能している。

 大聖牛

「大聖牛」は、戦国時代に武田信玄が創案し、山梨県の釜無川や笛吹川で施工され、その後、信玄の勢力拡大に伴い大井川や安倍川、富士川などに広がったと言われている。河川の玉石を蛇篭と呼ばれる筒状の篭に詰めて、三角錐状に組み合せた丸太組みの重しとして使い、洪水の流れを緩やかにして堤防や河岸を守る役割を持たせるものである。
構造上、河床の変動にあわせて柔軟に対応でき、その周辺では緩やかに起伏のある河床が形成されるなど、豊かな自然環境の再生が期待できる河川工法のひとつに挙げられている。

 中流七曲りブロックの天然記念物・文化財・伝統的行事
中流七曲りブロックの天然記念物・文化財・伝統的行事(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)