遊水地の全体構想
麻機遊水地の目指す姿、生命にぎわう『わ(環・和・輪)』
麻機に集まる水は、時には災いをもたらすこともありましたが、多くの生命を育み私たちに恵みを与えくれました。
麻機に集まる生き物たちは水を中心とした輪を育み、その輪は人が関わることによって微妙なバランスを保ちながら、水面に広がる波紋のように小さな輪から大きな輪に広がり、四季折々に豊な表情を見せていました。
麻機の自然は原生自然ではなく、歴史的、文化的な人と自然との関わりから生まれた里地里山環境です。
しかし、戦後の急激な人々の生活様式や社会環境の変化によりその輪が乱れ、かつてあった豊かな自然が徐々に衰退してきています。
そのため、良好な生態系(環)、里地里山環境にあった人と自然との共生(和)、そして周辺の自然とつながり(輪)を取り戻し、後世に伝えるための「生命(いのち)にぎわう『わ(環・和・輪)』の湿地麻機」を目指しています。
麻機遊水地
巴川麻機遊水地では、市民・団体・行政が参加した「自然再生協議会」を設立し、昭和30年代前半の麻機沼が存在していた時代の、人と自然との良好な関わりを取り戻し、湿地環境の動植物の保全・再生に努めています。