大井川水系

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中流の水質

① 環境基準の指定状況

大井川では、利水目的及び将来の水質などを考慮して、以下の環境基準が指定されている。
このうち、中流七曲りブロックに関連する区間の環境基準としては、神座から長島ダムまでがAA類型に指定されている。

 大井川水系の環境基準類型指定状況
大井川水系の環境基準類型指定状況(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

 大井川水系の環境基準類型指定状況
大井川水系の環境基準類型指定状況(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

② 環境基準の達成状況

中流七曲りブロックでは下泉橋地点及び神座地点において水質調査が実施されている。
大井川の水質をBODで評価すると、BOD75%値については下図に示すとおりとなっており、下泉橋地点で平成20年~平成29年の10か年平均で0.6mg/L、毎年0.5~0.8mg/Lで推移し、環境基準AA類型を達成している。また、神座地点は概ね0.5mg/Lを示し、環境基準AA類型を達成している。
中流七曲りブロックの水質は良好であることから、今後も引き続き、良好な水質が維持されるよう、健全な水循環の確保に努める必要がある。
一方で近年、大井川中流域において河道内にカワシオグサなどの緑藻類が異常繁茂する現象が確認されており、河川景観やアユ等の生態系への影響が懸念されている。

 中流七曲りブロックにおける水質(BOD75%値)
中流七曲りブロックにおける水質(BOD75%値)(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

③ 濁水長期化

大井川の河川水は、流域上流部の急峻な地形と脆弱な地質や、多量の降雨特性などに起因して水中の細粒分が多く、白濁しやすい性質を有しており、中流七曲りブロックでは濁水の長期化による水生生物や河川景観への影響が懸念されている。
このため、河川維持流量を常時下流に放流している大井川ダムでは、出水の影響などにより上流の井川ダム湖が濁った場合、奥泉ダムからの発電用水路を通じて大井川ダム湖にもその濁った水が流入するため、中流七曲りブロック内の大井川ダム下流から寸又川合流点までの区間の大井川本川において濁水が長期化する場合がある。
このため、学識経験者や地元行政(川根本町)、事業者(中部電力株式会社)、河川管理者(国、県)で構成する「大井川ダム直下濁水対策に係る技術検討会」を平成20年7月に設置して対策の検討を進め、そこでの検討結果を踏まえて、長島ダムからの放流水を利用する清水バイパスを平成25年に設置するなど濁水の改善に取り組んでおり、長島ダムの選択取水施設も含め改善が見られるが、今後も抜本的な濁水長期化対策を関係機関が一体となって実施していく必要がある。

 濁水長期化の要因と対策状況(清水バイパス)
濁水長期化の要因と対策状況(清水バイパス)(出典:大井川水系中流七曲りブロック河川整備計画)

下流の水質

下流ブロックの各河川は、水質環境基準の類型指定がされていない。
合流先の大井川は、大井川橋より下流(大津谷川、大代川が合流)がB類型、大井川橋より駿遠橋まで(相賀谷川が合流)がA類型に指定されている。
定期的に水質調査が実施されている河川は、大津谷川、伊太谷川、大代川、新堀川、相賀谷川の5河川8地点で、BOD経年変化を見ると、旧島田市(大井川左岸側)の大津谷川、相賀谷川では、昭和60年ごろから、概ね横這い傾向、旧金谷町(大井川右岸側)の大代川、新堀川では平成27年ごろまで改善傾向を示している。
近年は各河川とも水質は良好で、新堀川を除いて合流先河川である大井川の環境基準値を満足できる水質を有しているが、大代川や清水川の支川では、日常生活において不快感を生じない限度とされるBOD10mg/L(E類型)を超える年も見られる。

 表4.1 各河川の水質調査概要
表4.1 各河川の水質調査概要

 図4.1 各河川および支川のBOD経年変化
図4.1 各河川および支川のBOD経年変化

 図4.2 各河川のBOD平均値(平成29年度)
図4.2 各河川のBOD平均値(平成29年度)