河川の利用及び水利用に関する現状と課題
(1)河川水の利用
庵原川及び支川山切川の表流水は主に農業用水として、22件の慣行水利権が設定されており、約187haに及ぶ農地のかんがいに利用されている。その他、上水、工業用水としての河川水の利用はない。
河川水の利用状況(出典:庵原川水系河川整備計画)
河川水の利用状況(出典:庵原川水系河川整備計画)
平常時の河川流量は決して豊富であるとは言えないが、現在、流域内において継続的な流量観測は行われていないため、流況の把握は困難である。
年によっては一部区間で降水量の少ない冬場に瀬涸れが生じることもあるが、これまでに渇水被害は報告されていない。
今後も、地域住民や関係機関と連携して流水の適正かつ合理的な利用、良好な水環境の維持・回復を図り、水利用に支障をきたさないよう努める必要がある。
(出典:庵原川水系河川整備計画)
(2)河川空間の利用
河川空間の利用としては、庵原川のJR東海道新幹線から神明川までの区間に、遊歩道や水辺に降りられる階段があり、多くの住民が花見や散策などを楽しんでいる。また、流域内には縄文・弥生の時代からの遺跡のほか、地域の歴史や文化を伝える神社・仏閣が多く、ふるさとの自然と歴史にふれる「いほはらの路」(庵原公民館~尾羽廃寺~若宮神社(東久佐奈岐神社)~大乗寺~三池平古墳~一乗寺)としても利用されている。
環境整備及び親水スポット(出典:庵原川水系河川整備計画)
その他にも、庵原川桜まつり、川施餓鬼などのイベント、支川の山切川に整備された「山切公園グランド」等を利用した環境学習の場など、広く活用されているほか、地域による河川美化活動も盛んに行われている。
河川愛護、環境保全活動等(出典:庵原川水系河川整備計画)
平成22年5月に実施した住民アンケート調査でも、約7割の人は草刈りやゴミ拾いなどの河川愛護活動や、環境保全活動に参加したことがあり、川を汚さないためにゴミや油を流さないようにしているなど、河川愛護の意識が高く、地域密着型の取組が行われている。
今後も地域の活発な河川愛護活動や環境学習を支援し、地域住民とともに、歴史・文化・風土、豊かな自然環境といった、この地域の個性を活かした川づくりを進めていく必要がある。
平成22年5月に実施した住民アンケート調査結果(出典:庵原川水系河川整備計画)