自然環境
庵原川流域は、上流域に庵原山地のある生態系豊かな流域で、静岡県レッドデータブックや環境庁レッドリストに挙げられている貴重種を含め、ムササビ、イタチ、タヌキなどの哺乳類10種、カジカガエル、アマガエルの両生類2種、カナヘビ、ヤマカガシ、マムシなどの爬虫類4種、イカルチドリ、コチドリ、コサギなどの鳥類50種、シマドジョウ、アマゴ、アユカケなどの魚類50種、モクズガニ、テナガエビなどの甲殻・貝類17種、ミルンヤンマ、ウスバキトンボ、ショウリョウバッタなどの昆虫類71種、ツルヨシ、ジュズダマ、ヒガンバナなどの植物47種など、多様な生物の生息が確認されています。
また、その一方で、グッピー、アメリカザリガニ、コセンダングサ、セイタカアワダチソウなどの外来生物も確認されています。
庵原川は、「由比のサクラエビに清水のシロウオと言われた東海道の名物」であるシロウオ(絶滅危惧IA類;CRに分類)が遡上・営巣し、産卵する、数少ない河川の1つで、平成22年3月~4月に実施したシロウオの遡上・営巣調査では、0.7km付近(東海道新幹線下流)まで遡上・営巣が確認されています。
遡上する絶対数は興津川と比べると少ないのですが、興津川が河口閉塞でシロウオが遡上できない年は、庵原川と隣接する波多打川が年魚であるシロウオの生命線になると言われています。