庵原川水系

庵原川,山切川

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河川環境に関する現状と課題

(1)水質

庵原川における水質については、図 2.6に示すとおり、昭和49年以降、下水道の普及とともに徐々に改善されている。
庵原川では環境基準の類型指定はされていないが、庵原川、山切川における平成23年以降のBOD年平均値は概ね2.0mg/ℓ以下で推移しており、比較的良好な状況であるが、平成22年5月に実施した住民アンケート調査では、約5割の人は水が「よごれている」、あるいは「どちらかといえばよごれている」と回答しており、今後とも水環境の保全に努めていく必要がある。

 下水道の普及とBODの経年変化
下水道の普及とBODの経年変化(出典:庵原川水系河川整備計画)

 近年のBODの経年変化(静岡市測定調査)
近年のBODの経年変化(静岡市測定調査)(出典:庵原川水系河川整備計画)

 水質調査地点図
水質調査地点図(出典:庵原川水系河川整備計画)

 平成22年5月に実施した住民アンケート調査結果
平成22年5月に実施した住民アンケート調査結果(出典:庵原川水系河川整備計画)

(2)動植物の生息・生育状況

感潮区間を有する下流部では、オイカワやタカハヤなどの淡水魚のほか、砂泥を産卵場とするドジョウ、海水・汽水魚であるスズキやマハゼなどが確認されており、河岸にはススキのほか、ヨモギやジュズダマ等が繁茂するなど多様な植生が見られる。
瀬淵が連続する上流部では、渓流を好むアマゴやオオヨシノボリなどの魚類のほか、山付部の天然河岸には、竹などの植生が見られるなど、箇所ごとの状況に応じた多様な動植物の生息・生育・繁殖環境が形成されている。
一方で、アレチウリ、オランダガラシ、アメリカザリガニなどの外来種も確認されている。
また、庵原川は、近隣の興津川や波多打川とともに、静岡県内でシロウオが遡上し、産卵する数少ない河川の一つとなっており、遡上量が多いことで知られる興津川で河口閉塞が発生した場合などを想定し、シロウオの大敵となる濁水を生じさせる河川工事は庵原川、波多打川で同時期に行わないなどの配慮が必要である。
なお、河道には河川改修に伴うコンクリート護岸の整備や落差工等により、絶滅危惧種のニホンウナギをはじめ、魚類等生息生物の移動等が制限されている箇所も見受けられるため、河川整備の実施に際しては、河川上下流の連続性や河川周辺との繋がりの確保など、自然環境への配慮が求められる。

 庵原川流域で確認された注目する必要のある種(重要種)
庵原川流域で確認された注目する必要のある種(重要種)(出典:庵原川水系河川整備計画)

 庵原川流域で確認された重要種(淡水魚類、陸・淡水産貝類)
庵原川流域で確認された重要種(淡水魚類、陸・淡水産貝類)(出典:庵原川水系河川整備計画)

 庵原川流域で確認された注意する必要のある種(外来種)
庵原川流域で確認された注意する必要のある種(外来種)(出典:庵原川水系河川整備計画)

 庵原川流域で確認された外来種の例
庵原川流域で確認された外来種の例(出典:庵原川水系河川整備計画)