河川工事の目的、種類及び施行の場所並びに当該河川工事の施行により設置される河川管理施設の機能の概要
(1)河川工事の目的
河川工事に関しては、洪水時の河川水位を低下させ、整備目標洪水を安全に流下させることを目標に、河道拡幅及び護岸工、JR橋改築等により必要な河積の確保を図る。
また、庵原川河口部においては「計画津波」の河川遡上に対して堤防を越流させないことを目標に、海岸堤防との整合を考慮した堤防嵩上げ等を行う。
工事の実施にあたっては、シロウオの遡上・産卵・孵化期に配慮するとともに、必要に応じて有識者の助言を得て、動植物の生息・生育・繁殖環境や景観に配慮した「多自然川づくり」を推進するとともに、誰もが利用しやすい身近な水辺空間の維持・創出に努める。
(2)河川工事の施行場所
河川整備計画の主要な整備箇所は、年超過確率1/10規模の降雨による洪水(時間雨量74.1mm)を河道内で安全に流下させるため、また「計画津波」に対して津波災害を防御するために整備される海岸堤防とすり付けを行うため、以下に示すとおりとする。
河川整備計画の主要な整備箇所(出典:庵原川水系河川整備計画)
(3)主要工事の概要
ア 河川改修
(ア)実施箇所
河川改修の実施箇所は下図に示すとおりである。
(出典:庵原川水系河川整備計画)
流量配分図
計画高水流量は、概ね年超過確率1/10規模の降雨による洪水を対象として、基準地点の昭代橋において260m3/sとする。
流量配分図(出典:庵原川水系河川整備計画)
(イ)工事の内容
目標とする洪水を安全に流下させることを目的に、河道拡幅を基本とした河川整備を行う。
河川整備にあたっては、多様な生態環境が形成されていることを踏まえ、現況の河床・水際を尊重し、瀬・淵等の保全や水生生物の生息・生育・繁殖環境の保全・創出に配慮するとともに、河川上下流、海及び河川周辺、河川内の水域と陸域などの連続性を確保する。
また、清水庵原小学校付近は、小学生が環境学習に活用できるよう、水辺に近づき、自然と触れ合うことができる身近な空間の創出に努める。
なお、河川環境は今後も変化していくため、適時に調査検討を行いながら河川整備を実施する。
横断イメージ(出典:庵原川水系河川整備計画)
イ その他の河川工事の概要
その他、河川における過去の家屋被害の発生状況や上下流とのバランス、地域住民との連携などを総合的に考慮し、必要に応じた堤防や護岸、階段工等、局部的な対策を図る。
なお、河口部においては、現況堤防で「計画津波」の河川遡上に対して越流しないものの、「計画津波」による津波災害を防御するために整備される海岸堤防とのすり付けなど、堤防の嵩上げ等を実施する。