庵原川水系

庵原川,山切川

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河川の概要

庵原川流域は、上流域の庵原山地と下流域の清水平野からなり、上流の丘陵地区間では、河川勾配が約1/50の掘込河道であり、支川の山切川合流後は河川勾配が約1/200の築堤形式となっている。
沿川の土地利用は、上流域の山間地では集落や田畑、果樹園などの農用地、樹林地が混在している。下流域の扇状性の低地は概ね市街地で、家屋が連たんしているほか、東名高速道路、国道1号、JR東海道本線、JR東海道新幹線などの重要基幹交通網が集中し、人口、資産が集積している。

 河床の縦断形
河床の縦断形(出典:庵原川水系河川整備計画)

(1)庵原川の区間別河道特性

【上流部】

庵原川上流部(雀田沢~起点)は、県単独事業等によりほぼ全区間で護岸が施工されているが、一部山付け部の区間では樹木のせり出し等が見られる。
この区間は、川幅10~20m、河床勾配1/60~1/40程度の礫河道で、小規模な瀬や淵が連続し、草地化した洲に植生が見られる。

 
(出典:庵原川水系河川整備計画)

【中流部】

庵原川中流部(山切川~雀田沢)は、県単独事業等により全区間にわたって護岸が施工されている。
沿川には清水庵原小学校や清水庵原中学校、清水原保育園などがあり、自然観察会や、清掃活動が行われるなど、環境学習、地域活動の場として利用されている。
また、静岡市清水区では地域の歴史的建造物である三池平古墳、大乗寺、一乗寺などをめぐる「いほはらの路(みち)」が設定されており、川沿いの一部区間が散策路として位置づけられている。
この区間は、川幅15~20m、河床勾配1/100程度の砂礫河道で、連続的に瀬や淵が形成され、草地化した洲や護岸法面には豊かな植生が見られ、河床までの高さも比較的浅いため、親水性は高くなっている。
なお、一部区間には、年によっては降水量の少ない冬場に瀬涸(せが)れが生じる箇所(原こども園~清水原小学校付近)や、河道沿いに家屋が立ち並ぶ区間(庵原郵便局より上流)が見られる。

 
(出典:庵原川水系河川整備計画)

【下流部】

庵原川下流部(河口~山切川)は、小規模河川改修事業(H6~H11)、床上浸水対策特別緊急事業(H7~H11)、統合河川整備事業(H12)、統合2級河川整備事業(H13~H16)、総合流域防災事業(H17~H19)により、JR東海道線を除く全区間にわたって護岸が整備され、一定の治水安全度を有している。
JR東海道新幹線から普通河川神明(しんめい)川(1.2km付近)までの築堤区間には、遊歩道が整備され、毎年4月には、袖師地区を挙げて桜祭が催されるほか、JR東海道線付近には清水下河原公園と一体となった親水性の整備が行われるなど、市民の憩いの場として利用されている。
この区間は、川幅30~90m、河床勾配1/500~1/180程度の砂礫河道で、連続的に瀬や淵が形成され、草地化した洲や護岸法面には豊かな植生が見られる。

 
(出典:庵原川水系河川整備計画)

(2)山切川の区間別河道特性

【上流部】

山切川上流部(西山沢~起点)は、県単独事業等によりほぼ全区間で護岸が施工されているが、一部山付け部の区間では樹木のせり出し等が見られる。
この区間は、川幅10~15m、河床勾配1/80~1/20程度の礫河道で、4.2km付近より下流は小規模な瀬や淵が連続し、草地化した洲に植生が見られる。4.2km付近より上流は両岸に山が接近して渓谷の様相を成している。

 
(出典:庵原川水系河川整備計画)

【下流部】

山切川下流部(庵原川~西山沢)は、昭和30年代に県単独事業等により全区間にわたって護岸が施工された。平成12年度から進められている統合河川整備事業、統合2級河川整備事業、総合流域防災事業、県単独事業により、時候村橋付近では環境に配慮した護岸を施工している。
地域と行政が連携して計画、設計した「山切公園グランド」や、地域の環境教育を目的とした「川の楽校やまきり」の活動の場としての利用など、地域住民の川に対する高い意識が窺える区間である。
この区間は、川幅10~20m、河床勾配1/160~1/100程度の砂礫河道で、改修工事が行われていない箇所では、連続的に瀬や淵が形成され、草地化した洲や護岸法面には豊かな植生が見られる。

 
(出典:庵原川水系河川整備計画)