波多打川水系

波多打川

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基本情報

水系名

波多打川水系(はたうちがわすいけい)

河川ごとの紹介

波多打川(はたうちがわ)
[延長]4,300m
[起点]静岡市清水茂畑字小谷津885番の4地先の小谷津橋(静岡市清水区茂畑字小谷津885番の4地先の小谷津橋)
[終点]海に至る

波多打川河口付近の写真
波多打川河口付近

河川及び流域の概要

波多打川は静岡市清水区茂畑の高根山(標高504m)に源を発し、丘陵地の谷底平野を蛇行しながら南下して、興津埠頭わきで清水港へ注ぐ、流域面積約8.0km2、幹川流路延長4.3kmの二級河川である。
波多打川は、昔は角田川あるいは、はと打ち川などと呼ばれ、歌枕の名所としても名高く、正平6年(西暦1351年)サッタ山合戦の時、足利尊氏が旗を立てたので、それ以来、旗打川と呼ばれるようになったと伝えられている。また、波多打川が注ぐ興津から袖師にかけての海岸線は清見潟と呼ばれ、『万葉集』以降、多くの詩歌が歌われている。
大正15km2年には、波多打川河口に『袖師海水浴場』が移転し、昭和40年代に埠頭建設で臨海が埋立てられるまで、夏場の風物詩として親しまれていた。
流域の地形は、ほぼ庵原山地からなり、ごく小規模な谷底低地、清水平野が存在する。庵原山地は起伏量600m~400mの中起伏山地や起伏量400m~200mの小起伏山地に分類され、ごく小規模な谷底低地、清水平野は扇状地性低地に分類される。波多打川の中・上流部は河川勾配が1/50以上の谷底河川で、市街地を流下する下流部は河川勾配1/150程度の掘込河川となっている。
流域の地質は、流域の大部分を占める庵原山地は古第三紀に形成されたもので、基本的な層は竜爪層群、静岡層群、和田島層群、清見寺層群、小河内層群により成り立っている。清水平野は沖積世に形成されたもので、河川沿いの低地は礫質堆積物及び泥砂礫互層となっている。
流域の気候は、夏季は高温多湿、冬季は温暖少雨の表日本式気候(太平洋型気候区)に属している。年平均気温は16.3℃と温暖で、流域近傍の清水気象観測所(静岡市清水区興津中町)における年平均降水量は約2,370mmと、全国平均の1,609mmと比較して多くなっており、梅雨時期及び台風襲来時期の6~9月は降水量が多く、冬季の12月と1月は少ない。
流域をとりまく交通は、東名高速道路、国道1号、JR東海道本線、JR東海道新幹線などの重要基幹交通網が、概ね市街地となっている下流域を横断している。河口部には、特定重要港湾の清水港が整備され、県内産業の国内外の貿易拠点として重要な役割を担っている。
流域内の人口は約6,000人と少なく、波多打川流域が位置する旧清水市では、昭和30年から平成22年までの55年間で人口減少、核家族化、少子高齢化が見られる。
流域の土地利用の変遷を見ると、高度成長期の始まりの年代(S31)から、安定成長期の始まりの年代(S50)、現在(H23)にかけて市街地が増加し、畑、水田、山林は減少している。現在の土地利用は、山地が約92%を占め、畑が約2%、市街地が約6%であるが、流域近傍では新東名高速道路関連のジャンクションやインターチェンジが3箇所(清水JCT、清水いはらIC、新清水JCT)整備され、平成24年4月14日に供用開始されたことから、今後の市街化の進展が予想される地域でもある。
また、この地域では、明治から大正時代にかけて、どくえ(油桐)、三叉・楮(和紙の原料)の栽培から茶樹、果樹(みかん)への作物転換に成功し、昭和には「いはらみかん」として全国にその名を広め、現在も山間部を中心にみかん等の樹園地として利用され、上流域の丘陵地には樹園地を対象とした基盤整備事業(県営畑地帯総合整備事業)が展開されている。一方、近年では、第一次産業就業人口の減少とともに経営耕地が減少傾向にあり、耕作放棄地の増加による山林の荒廃も懸念されている。

波多打川流域図
波多打川流域図の画像

波多打川流域図PDF/4.37MB/

河川の整備の基本となるべき事項

1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項

基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスを考慮し、年超過確率1/30規模の降雨による洪水を対象として、基準地点井上橋において130m3/sとし、これを河道へ配分する。

基本高水のピーク流量等一覧表
河川名 基準地点 基本高水のピーク流量(m3/s) 河道への配分流量(m3/s)
波多打川 井上橋 130 130

2.主要な地点における計画高水流量に関する事項

計画高水流量は、基準地点井上橋において基本高水のピーク流量と同じ130m3/sとする。

 波多打川計画高水流量配分図

波多打川計画高水流量配分図(出典:波多打川水系河川整備基本方針)

3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項

主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。

主要な地点における計画高水位、川幅一覧表
河川名 地点名 河口からの距離(km) 計画高水位T.P.(m) 川幅(m)
波多打川 河口 0.0 5.4※1
井上橋 0.4 +3.64 11

(注)T.P.:東京湾中等潮位
※1:計画津波水位

4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項

波多打川水系における既得水利としては、主に農業用水として約50haに及ぶ農地のかんがいに利用されている。
流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、今後さらに、河川の流況等の把握に努め、流水の占用、動植物の生息、生育、繁殖地の状況、流水の清潔の保持、景観等の観点からの調査検討を踏まえて設定するものとする。

 波多打川流域図
(出典:波多打川水系河川整備基本方針)

波多打川流域図.pdf/283KB/