既往洪水の概要
馬込川流域において過去最大規模の浸水被害は、昭和49年7月7~8日七夕豪雨と昭和50年10月7~8日豪雨によるものである。昭和49年7月7~8日豪雨では床上浸水戸数が460棟、床下浸水戸数が2,787棟、その翌年に発生した昭和50年10月7~8日豪雨では床上浸水個数が333棟、床下浸水戸数が7,015棟であった。浜松測候所の観測雨量は、昭和50年10月7~8日豪雨時には、時間最大雨量72.5mm、総雨量は336mmであったが、昭和49年7月7~8日では時間最大雨量40mm、総雨量144mmと昭和50年10月7~8日に比べかなり少ない観測値である。
最近年では、平成10年9月23~24日、平成16年9月5日、平成16年11月11~12日降雨で床上浸水被害が発生しているが、前述した昭和49年7月7~8日、昭和50年10月7~8日に比べると被害規模は非常に小さい。平成16年11月11~12日降雨では高塚川流域で床上浸水被害が発生している。特に、平成27年9月の台風18号による豪雨をはじめとし、水位観測地点松江において3年連続ではん濫危険水位を超過し、避難勧告が発令されるなど、甚大な浸水被害が発生している。
降雨量(浜松測候所雨量)と浸水発生の関係を整理した結果を図 3.1、図 3.2に示す。これによると、床上浸水が発生する降雨規模は、時間最大雨量で45mm程度(2~3年確率規模相当(下表参照))、3時間最大雨量で80mm程度と想定できる。ただし、流域内の降雨が一様ではないため、あくまでも目安値である。
降雨強度式(浜松測候所)
時間最大雨量(浜松測候所)と浸水発生の関係
3時間最大雨量(浜松測候所)と浸水発生の関係