馬込川水系

馬込川,芳川,御陣屋川,北裏川

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基本情報

水系名

馬込川水系(まごめがわすいけい)

河川ごとの紹介

馬込川(まごめがわ)
[延長]23,230m
[起点]本村川合流点
[終点]海に至る

芳川(ほうがわ)
[延長]9,520m
【左岸】
[起点]浜松市上新屋町1番の3地先(浜松市東区上新屋町1番の3地先)
[終点]馬込川への合流点
【右岸】
[起点]浜松市中田町169番地先(浜松市東区中田町169番地先)
[終点]馬込川への合流点

御陣屋川(ごじんやがわ)
[延長]3,690m
[起点]浜北市平口2439番の1地先の湧水池(浜松市浜北区平口2439番の1地先の湧水池)
[終点]馬込川への合流点

北裏川(きたうらがわ)
[延長]1,220m
【左岸】
[起点]浜松市飯田町357番地先(浜松市南区飯田町357番地先)
[終点]芳川への合流点
【右岸】
[起点]浜松市大浦町454番地先
[終点]芳川への合流点

河川及び流域の概要

馬込川は、浜松市浜北区新原地先の浜名用水流入点に源を発し、右岸から御陣屋川等を合わせて市内をほぼ北から南へ蛇行しながら貫流した後、海岸砂丘の直前で流路を東に変え、左岸から芳川を合わせて遠州灘に注ぐ流路延長23.2km、流域面積105.2km2の二級河川であり、流域の中流部には浜松駅周辺の中心市街地を抱えており市街化の割合が60%を超える都市河川である。
流域の地形は、東側を流下する天竜川の氾濫原が大半を占めるほか、西側は洪積台地である三方原台地と、南側は海岸砂丘列と後背低地に大別される。天竜川の氾濫原は第四紀完新世に形成された砂・礫・泥の層で構成され、網目状に分布する旧河道の中に自然堤防などの微高地が存在している。近年では土地利用に伴う人為的改変により微地形が不明瞭になりつつあるが、流域内に点在する低地部では内水氾濫や湛水が発生しやすい潜在的地形特性が現存している。また、海岸砂丘列背後の低地も内水氾濫等が発生しやすい地形特性を有している。
河道特性としては殆どが有堤河川であり、河床勾配は馬込川上流部から御陣屋川合流点までが1/500程度、中心市街地に近い松江付近までの中流部では1/1,000〜1/2,000程度、河口までの下流部では1/3,000〜1/5,000と非常に緩く、河口からJR東海道線付近までの約7.8kmが感潮区間となっている。全川を通じて流れは緩やかであり、大きな瀬や淵はほとんど見られない。河口部にあたる遠州灘沿岸は天竜川を供給源とする沿岸漂砂と波浪及び飛砂の影響により、河口閉塞が生じ易い特性を有している。
流域の気候は、黒潮の影響を受けた海洋性気候であり、冬は暖かく夏は高温になる。浜松市における年平均気温は16.6度(昭和46年〜平成26年)、年平均降水量は1,820mm(浜松気象観測所:昭和56年〜平成26年)で、全国平均の1,715mm(昭和56年〜平成26年平均)を上回る。
流域の土地利用は、平成21年度時点において、水田15%、森林3%、畑地11%、市街地70%となっている。上流域及び下流域は、流域の中でも農地が比較的多く分布しているが、三方原台地における都市開発等により市街地が拡大している。一方、中流域は古くから市街化が進んで商業施設、工場、住宅等が沿川に密集しており、近年も各所で区画整理事業等により市街地が整備され、人口や資産の集積が進んでいる。浜松市の人口集中地区約86km2の約5割が馬込川流域に位置する。
流域の人口は約41万人であり、県下最大都市である浜松市の人口約79万人の52%を占める。人口の変化は、平成12年からの5年間に2.3%増加するなど、全国の増加率および静岡県の増加率0.7%を上回っているが、近年の増加率は鈍化傾向にある。また、一世帯あたり人口は減少傾向であるが、全国の一世帯あたり人口2.55人と同程度である。
流域の産業は、浜松市の産業別就業者数で見ると、第一次産業および第二次産業は昭和60年から減少傾向にあり、平成21年において、第一次産業1.7万人、第二次産業13.7万人となっている。その一方で、第三次産業就業者数は昭和60年と比較して2倍程度の21.9万人となっており、近年も増加傾向にある。浜松市は、古くから綿織物や製材業が盛んな県下有数の工業都市であり、現在でも自動車・バイク等の輸送機械、楽器、繊維は「三大産業」として浜松市の工業を支えるとともに、近年では光技術などの先端産業も発展している。また流域内の農業に関しては、上流域及び下流域を中心に平坦な水田地帯が広がり、水稲栽培等が行われているほか、遠州灘に面した砂地土壌ではエシャレット栽培が行われており、下流部に位置する五島地区周辺は全国でも有数の産地となっている。
流域の交通網としては、JR東海道新幹線、東海道本線や、東名高速道路、国道1号など首都圏と中京圏を結ぶ日本の大動脈が流域を横断するとともに、馬込川とほぼ並行する形で浜松駅付近から西鹿島まで遠州鉄道が南北に連絡している。また、平成23年度には新東名高速道路が開通し、流域に接して浜北インターチェンジが開設されたことからそのアクセス道路が整備されるなど、内陸部においても交通ネットワークの整備が進んでいる。
流域の河川に関わる歴史や文化としては、湧水など水に恵まれた三方原台地緑辺の崖線付近に、集落跡、貝塚、横穴古墳などの遺跡が見つかっており、古代よりこの地域で人々の暮らしが営まれていたことが確認できる。また中世においては、元亀元年(1570年)から17年間、徳川家康が浜松の地に居城を構えたことから、56万石の城下町として栄え、浜松城跡は現在、市指定史跡として登録されている。その後も譜代大名12家が約6万石を領し、本陣を6つ持つ東海道の大宿場町として栄え、こうした歴史を背景として流域には多くの文化財、史跡のほか、天然記念物も数多く存在しており、中流部の沿川には、中世以降の建造物、城郭・台場跡、古い寺社の巨木なども見られる。

河川の整備の基本となる事項

1.基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項

基本高水は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口、県内の他河川とのバランス等を踏まえ、年超過確率が1/50規模の降雨で発生する洪水を目標の対象とし、流域における流出抑制対策を考慮したピーク流量は、基準地点松江地点において460m3/sとする。
このうち、洪水調節施設により30m3/sを調節して、河道への配分流量を430m3/sとする。

馬込川基本高水のピーク流量等一覧表
河川名 基準地点 基本高水のピーク流量(m3/s) 河道への配分流量(m3/s) 洪水調節施設による調節流量(m3/s)
馬込川 松江 460 430 30

2.主要な地点における計画高水流量に関する事項

計画高水流量は、基準地点松江地点において430m3/sとする。

 計画高水流量配分図

計画高水流量配分図(出典:馬込川水系河川整備基本方針)

3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項

主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。

主要な地点における計画高水位、川幅一覧表
河川名 地点名 河口からの距離(km) 計画高水位T.P.(m) 川幅(m)
馬込川 松江 8.0 4.79 41
河口 0.3 6.60※1 236
芳川 芳川 6.5 3.78 20

(注)T.P.:東京湾中等潮位
※1:計画津波水位(施設計画上の津波水位)

4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するために必要な流量に関する事項

馬込川における既得水利は、農業用水として0.137m3/sである。
これに対し、馬込川の主要地点の松江における平成9年から平成25年までの平均低水流量は4.24m3/s、平均渇水流量は2.95m3/s、10年に1度程度の規模の渇水流量は1.92m3/sとなっているが、これらは、天竜川から導水されている掃流用水を含んだ流量である。
流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、今後さらに、自然流況等の把握に努め、動植物の生息地又は、生育地の状況、流水の清潔の保持、景観、河口の閉塞の防止等の観点からの調査検討や掃流用水の関係者による調整及び合意形成の状況を踏まえて設定するものとする。

 馬込川水系図
(出典:馬込川水系河川整備基本方針)

馬込川水系図.pdf/419KB/