アクションプラン
「狩野川中流域豪雨災害対策アクションプラン」は、概ね5年を目処に流域の床上浸水被害解消を目指し、静岡県や伊豆の国市、函南町 が住民と一体となって進めていく総合的な治水対策です。
なお、このアクションプランで行う対策は、床上浸水被害を軽減させるための緊急的な対策です。このため、想定した規模以上の豪雨に対しては 、今後も浸水被害の発生が予想されます。
被害を少しでも減らすためには流域内外の住民の方々の理解と協力していくことが必要です。
アクションプランの概要
1.アクションプランの対象区域は、狩野川中流域の9河川(柿沢川、堂川、江間川、洞川、韮山古川、宗光寺川、戸沢川、長瀬川、深沢川) とします。
2.平成16年10月洪水と同程度の降雨に対して、ハード整備とソフト対策を組み合わせた総合的な治水対策を進め、おおむね5年間で床上浸水を緊急的に軽減することを目標とします。
3.アクションプランにおける対策は「ハード対策(排水処理に関する対策・流域の貯留浸透に関する対策)」と「ソフト対策」に大別されます。
下記の表にある対策を効果的に組み合わせることにより、浸水被害の軽減を目指します。
各河川におけるアクションプラン
柿沢川のアクションプラン
1.ハード対策
・畑毛排水機場の増強と毘沙門排水機場の増強、浮名排水機場の新設
畑毛排水機場の増強を行いました。
また、その下の毘沙門排水機場のポンプ増強をしたことにより、浮名排水路へのポンプ新設と相まって効果を発揮します。
・排水管理施設の新設
各排水機場の運転を排水河川や降雨の状況に応じて連携しつつ効果的に行えるよう、排水機場の運転、内外水位や降雨の状況の情報共有を図る排水管理システムの導入を検討します。
2.排水処理に関する対策
柿沢川本川の堂川合流点左岸の改修と、準用河川舟口川上流部の改修を行います。
3.流域の貯留浸透に関する対策
学校や公園などの公共用地を利用した一時貯留施設、駐車揚々歩道の透水性舗装化、既存ため池等への洪水貯留機能の付加などを行います。
4.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供や、出前講座などによる防災意識の啓発、河道の定期的な浚渫・除草などの河川管理、個人や民 間の開発に対する土地利用指導や住居の耐水化、水田・森林・ため池等の適正管理や有効活用などを行います。
堂川のアクションプラン
柿沢川に対してポンプ排水しているため、平成19年9月の洪水や床上浸水が発生した要因は、堂川排水機場の能力不足による内水が主な要因と考えられています。
1.ハード対策
・堂川排水機場の増強と堂川樋管の改良
堂川の浸水被害は堂川排水機場の能力不足が主な要因ですので、堂川排水機場のポンプ補修による機能の回復と、堂川樋管の改良を行います。
・排水管理施設の新設
各排水機場の運転を排水河川や降雨の状況に応じて連携しつつ効果的に行えるよう、排水機場の運転、内外水位や降雨の状況の情報共有を図る排 水管理システムの導入を検討します。
2.排水処理に関する対策
準用河川堂川及び安川の流下能力を確保することが、今後の課題です。
3.流域の貯留浸透に関する対策
庁舎や学校などの公共用地を利用した一時貯留施設、駐車場や歩道の透水性舗装化や、既存のため池等への洪水貯留機能の付加などを行います。
4.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供や、出前講座などによる防災意識の啓発、河道の定期的な浚渫・除草などの河川管理、個人や民 間の開発に対する上地利用指導や住居の耐水化、水田・森林・ため池等の適正管理や有効活用などを行います。
江間川のアクションプラン
1.ハード対策
江間川では床上浸水が発生していないため、床上浸水対策に直結するハード対策はありません。
2.排水処理に関する対策
狩野川本川側排水機場へ畑田川の流水導入、畑田川の流下能力確保が今後の課題です。
3.流域の貯留浸透に関する対策
学校などの公共用地を利用した一時貯留施設、駐車場や歩道の透水性舗装化、公有空地への調節池の設置などを行います。
4.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供、出前講座などによる防災意識の啓発、河道の定期的な浚渫・除草などの河川管理、個人や民間 の開発に対する土地利用指導や住居の耐水化、水田・森林・ため池等の適正管理や有効活用などを行います。
洞川のアクションプラン
洞川・四日市地区
1.ハード対策
・四日町排水機場の増強と舞台上橋の橋梁改築
洞川の床上浸水は、四目町排水機場のポンプ能力不足による内水被害が主要因です。このため、ポンプを増強することで、20年に1回程度の降雨に対して床上浸水の解消を目指します。
2.排水処理に関する対策
準用河川洞川及び舞台川の流下能力確保が、今後の課題です。
3.流域の貯留浸透に関する対策
学校などの公共用地を利用した一時貯留施設、駐車場や歩道の透水性舗装化、公有空地等への調節他の建設などを行う。
4.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供、出前講座などによる防災意識の啓発、海道の定期的な浚渫・除草などの河川管理、個人や民間 の開発に対する土地利用指導や住居の耐水化、下水道事業との連携、水田の適正管理や有効活用などを行います。
韮山古川のアクションプラン
1.ハード対策
・河道改修と堤防嵩上げ、湯の原・旭台排水機場の増強
韮山古川自体の流下能力不足を解消するため、国道136号古川橋~上中橋までの改修を行います。狩野川本川に対する内水被害対策として、温泉病院跡付近で堤防嵩上げを実施します。
また、韮山古川に対する内水被害対策については、湯の原・旭台でポンプの整備・増強を実施します。
2.排水処理に関する対策
旭台地区における都市下水路の整備を行います。
古川地区における都市下水路の整備、湯の原(都市下水路)の流下能力確保が、今後の課題です。
3.流域の貯留浸透に関する対策
学校などの公共用地を利用した一時貯留施設、駐車場や歩道の透水性舗装化などを行います。
4.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供、出前講座などによる防災意識の啓発、河道の定期的な浚渫・除草などの河川管理、個人や民間 の開発に対する土地利用指導や住居の耐水化、下水道事業との連携、水田・森林・ため池等の適正管理や有効活用などを行います。
宗光寺川のアクションプラン
谷戸川合流点
1.ハード対策
・宗光寺川樋門の改良と宗光寺排水機場の増強
宗光寺川では、宗光寺排水機場の能力不足による内水被害に対応するため、平成18年に樋門の高速化・流向計の設置を完了しました。今後、その他の対策の実施と効果を判断した上で、「宗光寺川及び谷戸川流域内水対策協議会」で総合的な内水対策について協議していきます。
2.流域の貯留浸透に関する対策
学校や庁舎などの公共用地を利用した一時貯留施設、駐車場や歩道の透水性舗装化、各戸への浸透桝の設置、流出城や内水域への調節他の建設などを行います。
3.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供、出前講座などによる防災意識の啓発、海道の定期的な浚渫・除草などの河川管理、個人や民間の開発に対する土地利用指導や住居の耐水化、水田・森林の適正管理や有効活用などを行います。
戸沢川のアクションプラン
1.ハード対策
・河道改修と堤防嵩上げ、小坂排水機場の増強、小坂樋門の改良、都市下水路の整備
戸沢川では、外水氾濫対策として河辺改修を行います。狩野川に対する内水被害対策は、戸沢川の堤防嵩上げが既に完成しています。小坂排水機場ではポンプを増強することで20年に1回程度の降雨に対して床上浸水の解消を目指します。なお、小坂樋門の高速化や流向計の設置は既に完了しています。長岡川や小坂地区都市下水路などの外水氾濫対策は、随時完了予定です。
2.排水処理に関する対策
太田地区及び小坂地区への排水機場設置、都市下水路整備、太田地区及び椎貝宅南水路への樋管設置(太田地区はH18年度完了。椎貝宅南水路は既設であるため堤防嵩上げ時に再施工)を行います。
3.流域の貯留浸透に関する対策
学校や役所などの公共用地を利用した一時貯留施設、駐車場や歩道の透水性舗装化、内水域への調節池の建設などを行います。
4.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供、水害図上訓練などによる防災意識の啓発、海道の定期的な浚渫・除草などの河川管理、個人や民間の開発に対する土地利用指導や住居の耐水化、下水道事業との連携、水田・森林・ため池等の適正管理や有効活用などを行います。
長瀬川のアクションプラン
長瀬川は全川にわたって流下能力は十分にあり、平成16年10月洪水においても一部農地に浸水がみられる程度で、床上浸水までは発生していません。
1.排水処理に関する対策
将来的な上地利用等の動向に応じた河道整備が、今後の課題です。
2.流域の貯留浸透に関する対策
歩道の透水性舗装化などを行います。
3.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供、出前講座などによる防災意識の啓発、挺進の定期的な浚渫・除草などの河川管理、水田・森林 ・ため池等の適正管理や有効活用などを行います。
深沢川のアクションプラン
鍋沢川・神島地区
1.ハード対策
・鍋沢川・中島都市下水路への排水機場設置深沢川の床上浸水は、排水不良による内水が主な要因ですので、鍋沢川・中島都市下水路に排水機場を設置します。
2.排水処理に関する対策
中島都市下水路の整備を行います。また、流下断面の確保のための洗掘防止対策を継続的に行っていきます。
2.流域の貯留浸透に関する対策
学校や公園などの公共用地を利用した一時貯留施設、駐車場や歩道の透水性舗装化、ため池等への洪水貯留機能の付加を行います。
3.ソフト対策
ハザードマップの公表などの防災情報の提供、出前講座などによる防災意識の啓発、河道の定期的な浚渫・除草などの河川管理、個人や民間の開発に対する土地利用指導や住居の耐水化、下水道事業との連携、水田・森林・ため池等の適正管理や有効活用などを行います。
アクションプランの進捗状況
各河川におけるアクションプランの進捗状況については、下記のリンクよりご覧頂けます。