波多打川水系

波多打川

TOP自然 > 河川環境の現状と課題

河川環境に関する現状と課題

(1)水質

波多打川における河川水質については、波多打川では環境基準の類型指定はされていないが、図 2.5に示すとおり、平成16年以降のBOD年平均値は概ね1mg/ℓ以下で推移している。
数値的には良好な状況であるが、平成22年5月に実施した住民アンケート調査では、約4割の人は「水がよごれている」、あるいは「どちらかといえばよごれている」と回答しており、今後とも水環境の保全に努めていく必要がある。

 近年のBODの経年変化(静岡市測定調査)
近年のBODの経年変化(静岡市測定調査)(出典:波多打川水系河川整備計画)

 水質調査地点図
水質調査地点図(出典:波多打川水系河川整備計画)

 平成22年5月に実施した住民アンケート調査結果
平成22年5月に実施した住民アンケート調査結果(出典:波多打川水系河川整備計画)

(2)動植物の生息・生育状況

感潮区間を有する下流部では、オイカワやアブラハヤなどの淡水魚のほか、砂泥を産卵場とするニシシマドジョウ、海水・汽水魚であるスズキやボラ、マハゼなどが確認されており、河岸にはススキやカラスウリなど、多様な植生が見られる。
瀬や淵が連続する上流部では、アブラハヤのほか渓流を好むアマゴやタカハヤ、クロヨシノボリなども確認されるなど、箇所ごとの状況に応じた多様な動植物の生息・生育・繁殖環境が形成されている。
また、波多打川は、近隣の興(おき)津川(つがわ)や庵原川とともに、静岡県内でシロウオが遡上し、産卵する数少ない河川の一つとなっており、遡上量が多いことで知られる興津川で河口閉塞が発生した場合などを想定し、シロウオの大敵となる濁水を生じさせる河川工事は庵原川、波多打川で同時期に行わないなどの配慮が必要である。
なお、河道には急な河床勾配をコントロールするため落差工が多く配置されており、絶滅危惧種のニホンウナギをはじめ、魚類等生息生物の移動等が制限されている箇所も見受けられるため、河川整備の実施に際しては、河川上下流の連続性や河川周辺との繋がりの確保など、自然環境への配慮が求められる。

 波多打川流域で確認された注目する必要のある種(重要種)
波多打川流域で確認された注目する必要のある種(重要種)(出典:波多打川水系河川整備計画)

 波多打川流域で確認された重要種(淡水魚類、陸・淡水産貝類)
波多打川流域で確認された重要種(淡水魚類、陸・淡水産貝類)(出典:波多打川水系河川整備計画)