栃山川水系

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治水の現状と課題

栃山川流域では、二次支川や小水路の氾濫、低平地部の排水不良等による内水被害が発生しています。一方で、近年局地的な豪雨が発生していることから、支川の流下能力の向上はもとより、準用河川等の管理者である市と連携し、各主体が実施する対策が有効に機能するよう調整を図っていく必要があります。
また、平常時に大井川用水の基幹水路としての役割を担う栃山川水系の河川には、大井川用水が流入され、取水のための施設が配置されています。このため、増水時には、大井川用水の流入を一時的に制限するとともに、取水施設のゲート開閉や堰の倒伏など適正な管理と運用を図るよう利用者との一層の連携が不可欠です。

栃山川

栃山川では、昭和30年代からの市街化の進展と、昭和34年8月洪水の堤防決壊による水害を契機に、昭和42年度より平成15年度にかけて、河口部付近から東光寺谷川合流点(約9.8km)で、築堤や掘削、屈曲部解消などの段階的な整備を実施し、計画流量150立方メートル/秒を安全に流下させることができる河川改修工事が完了しています。近年では、整備の進捗により、水のあふれ等による家屋ヘの浸水被害は発生していません。
一方で、河川改修での柳枝工や他流域から運ばれたと推測される高木性のヤナギ類が水際部に繁茂している箇所が見られることから、洪水時の流水の阻害とならないよう、河川巡視を含めた適切な維持管理に努めていく必要があります。また、栃山川の下流部には築堤区間があることから、ひとたび氾濫、堤防が決壊すれば社会的、経済的に甚大な被害を引き起こす恐れがあります。このため、堤防が洪水に対して、常に一定の機能を保持するよう適切に維持管理していく必要があります。

東光寺谷川

東光寺谷川では、昭和57年9月洪水及び平成10年9月洪水により、家屋浸水被害が発生しています。このうち、昭和57年9月洪水では、近年最大被害となる床上浸水35戸、床下浸水69戸の被害が発生しました。これらの浸水被害は、山地部から平地部へと河川の縦断勾配が急激に変化する地形的要因に加え、河川の流下能力を上回る流水が流れ込み、河川から溢れたことなどが原因と考えられます。東光寺谷川の河川改修は、平成9年度から、合流先の栃山川の改修に引き続き、計画流量100立法メートル/秒を安全に流下させることができる河川改修工事を実施し、平成16年度までに国道1号(約1.0km)までの区間で段階的な整備を行ないました。
しかし、国道1号より上流側の築堤区間には、現況河床が周辺堤内地盤より高い箇所もあることから、引き続き再度災害による浸水被害を防止・軽減するため河道を拡大し、所定の流量を安全に流下させるための対策を講じる必要があります。さらに、この区間には慣行水利の取水施設が配置されているほか、東光寺谷川には白岩寺幹線を介して大井川用水の還元水等が流入しています。このため、利水者による適切なゲート開閉操作や施設の維持管理などの対応が求められます。

成案寺川

成案寺川では、昭和57年9月洪水及び平成13年9月洪水により、家屋浸水被害が発生しています。このうち、昭和57年9月洪水では、近年最大となる床上浸水9戸、床下浸水147戸の被害が発生しました。近年の洪水は、成案寺川に流入する支川の氾濫等が家屋被害の主原因と考えられます。このため、支川の管理者である焼津市と連携し、内水による家屋浸水被害の防止・軽減に努めていく必要があります。

木屋川

木屋川では、昭和57年9月洪水、平成13年9月洪水及び平成16年6月洪水、平成16年10月洪水により、家屋浸水被害が発生しています。このうち、平成16年10月洪水では、近年最大となる床上浸水2戸、床下浸水28戸の被害が発生しました。いずれの浸水被害も、木屋川に流入する支川の氾濫や低平地部の排水不良等による内水被害です。
木屋川の下渡部の焼津漁港(小川地区)では、漁港管理者が高潮及び東海地震で想定される津波対策として、堤防を外郭に整備する等、駿河海岸の海岸堤防と一体となって流域の想定浸水域を高潮・津波から防御しており、港内の津波対策施設の整備についても検討が進められています。木屋川では、栃山川水系のなかでも低い土地を流下しているうえに、著しく潮位の影響を受ける区間であることから、支川の管理者である焼津市と連携し、内水による家屋浸水被害の防止・軽減に努めていく必要があります。

黒石川

黒石川では、昭和57年9月洪水、昭和61年8月洪水及び平成16年6月洪水により、家屋浸水被害が発生しています。黒石川雨水幹線は、平成2年2月に締め切られるまでは黒石川流域であり、黒石川流域としては昭和57年9月洪水により、近年最大の被害となる床上浸水15戸、床下浸水374戸の被害が発生しています。
また、近年の洪水では、黒石川に流入する支川の氾濫や低平地部の排水不良等による内水被害も発生しています。黒石川流域は、栃山川流域内にあって最も人口・資産の集積が顕著な地区で、浸水被害の拡大が懸念されています。そのため、県と焼津市、藤枝市では、小河川や都市下水路を含めた上中下流で整合のとれた総合的な治水計画作成に向け「連絡調整会議」を平成7年に組織し、平成14年2月に「小石川・黒石川流域総合治水整備計画」を策定しました。