流域及び湖沼の概要
都田川水系は、静岡県の西部に位置し、都田川や新川などの浜名湖に流入する河川と浜名湖及び猪鼻湖や松見ヶ浦などの支湖から成り、今切口から遠州灘へ注ぐ、河川総延長(二級河川指定区間)は166km、流域面積は524km2と県内最大の流域面積を有す二級水系である。
都田川水系の本川都田川は、流路延長約50kmで、水源を鳶ノ巣山に求め、三岳山地と三方原台地の接合線に沿って西南西に流路をとり、浜松市細江町気賀付近で南流する井伊谷川を合流し、浜名湖北東部の引佐細江湖に流入し、浜名湖を経て今切口から遠州灘に注ぐ、流域内でも最大の流域面積を誇る。
流域の東部に位置する新川は、三方原台地に源を発し台地を侵食しながら、佐鳴湖を経て、沖積層の低平地を貫流して浜名湖へ流入する、水系で2番目の流域面積を誇る河川である。
その他、釣橋川や入出太田川等の河川は、分水界が浜名湖に極めて近いことから、各々延長10km前後の小河川であり、総じて放射状をなし、湖に向けて流れ集まってくる。
水系の最下流部に位置する浜名湖は、猪鼻湖、引佐細江湖などと併せて面積が約70km2で日本の太平洋側では最大の汽水湖である。支湖を伴う入組んだ形状をしており、湖岸延長は128kmに及び、景観に優れ、県立自然公園及び名勝地に指定されている。
浜名湖は天竜川からの漂砂が砂州となって湾の入口を塞いでできた海跡湖であることから、湖の南部は水深1~2mと浅く、広く砂が分布し、湖の北部では深さを増しており、泥が広く分布している。また、今切口で遠州灘と繋がり、潮汐の影響が浜名湖全域に及び、塩分濃度は汽水湖としては高くなっている。更に、陸水の流入や外海からの津波・高潮に対して緩衝帯として重要な役割を果たしている。
都田川水系流域概要図(出典:都田川水系河川整備計画)
(出典:都田川水系河川整備計画)