小石川流域の自然環境
生物調査結果(平成29年6月~7月調査)
・小石川では、重要種として、ニホンウナギ、ニホンスッポン、ヒナハゼ、ドジョウが生息している。
・鳥類では、カルガモ(繁殖場)、サギ類(餌場)等が確認されている。
・生物調査結果(平成29年6月~7月調査)では、下流区間(0.35k~1.2k)において、重要種として、ニホンウナギ(魚類)、ヒナハゼ(魚類)が確認された。
■小石川の河口から落差工(1.2k)までの下流区間(0.35k~1.2k)は感潮域であり、干潮時には鳥類の餌場や底生動物の生息場として利用されるなど、動植物にとって良好な環境であり、これらの環境の保全・再生に努める必要がある。
■重要種のニホンウナギ、ヒナハゼが確認されていることから、河床掘削等の河道整備を実施する際は、水際に捨石等を置き、魚介類の潜み場を創出する等、環境の再生に努める必要がある。
・生物調査結果(平成29年6月~7月調査)では、中流区間(1.2k~2.1k付近)において、重要種として、ニホンウナギ(魚類)、ニホンスッポンが確認された。
・流れが緩やかで、雛を多数連れたカルガモの親鳥を複数確認しており、繁殖の場として利用されている。
・水深が浅いため、サギ類等の鳥類の餌場としても利用されている。
自然環境の状況
■小石川の落差工(1.2k)~小石川第7号水門(2.1k)の中流区間は淡水域となっている。1.2k付近には落差工が存在するが、満潮時には遡上が可能となっている。
■ニホンウナギのほか、オイカワ、ウグイ等の淡水魚、ボラ等の汽水・海水魚が確認された。
・生物調査結果(平成29年6月~7月調査)では、上流区間(2.1k~2.2k)において、重要種として、ドジョウ(魚類)が確認された。
・外来種としては、オオカナダモ(植物)が確認された。
■小石川の2.1k付近には小石川第7号水門があり、通常時は水門が閉じた状態となっており、湛水により水深が深い環境となっている。
■湛水部にはオオカナダモ(重点対策外来種)等の沈水植物が群落を形成しており、魚類、底生動物の潜み場となっている。降雨等による増水時には水門が開き、縦断方向に移動することが可能である。
魚類文献調査結果
■文献によると、小石川においては、6 目8 科14 種の魚類が確認されている。
■確認状況は、塩津橋~新小石川橋の区間で2 種、境橋~塩津橋の区間で5 種確認されており、その他確認地点の記載がないものが9 種となっている。
■確認された魚類の生活型についてみると、純淡水性の種が57%と最も多く、回遊性の種が36%、汽水·海水性の種は7%であった。
■純淡水性の種としては、コイ、ドジョウ、ナマズなど、回遊性の種としては、ニホンウナギ、ウグイなど、汽水·海水性の種としてはボラが確認されている。
■確認種のうち、重要種はニホンウナギ、ドジョウ、ミナミメダカ、カワアナゴの4 種が挙げられる。
■外来種はソウギョ、カマツカの2 種が確認された。ソウギョは生態系被害防止外来種に指定されている。
文献調査での魚類確認種一覧
鳥類文献調査結果
<河道内での生息状況>
■小石川河道内での、鳥類の生息状況に関する文献は確認されていない。
<流域での生息状況>
■焼津市史(焼津市史編さん委員会、2005)によると、1995年及び2004年に実施された現地調査及び資料調査の結果、焼津市内には16 目43 科169 種の鳥類が確認されている。この調査結果の中で、小石川流域での鳥類の生息·確認に関する内容としては、焼津駅前の倉庫街でヒメアマツバメのコロニーが確認されたことが記載されている。
■第4 回自然環境保全基礎調査(静岡県自然環境情報図)(平成7 年、環境庁)によると、小石川流域の焼津駅周辺において、ヒメアマツバメの集団繁殖地、集団ねぐらがあるとされている。
■静岡県特定外来生物分布状況実態把握調査(静岡県、平成21年)によると、小石川流域では、鳥類に関して特定外来生物の生息は確認されていない。
植物文献調査結果
<河道内の植生>
■静岡県特定外来植物生息分布調査(静岡県、平成22年)によると、小石川の土手でオオキンケイギク、水域でオオカナダモの生育が確認されている。
<流域の植生>
■現存植生図より、小石川流域は、大部分が市街地となっており、植生がみられる場所は、中流域の水田や緑の多い住宅地、上流域の岩城緑地(スギ·ヒノキ·サワラ植林)がみられる程度である。特筆すべき植生はみられない。
■東海地方の潜在自然植生図(1976.横浜国立大学環境科学研究センター植生学研究室)によれば、小石川流域の潜在自然植生は、「ハンノキ群集」「イノデ-タブノキ群集」となっている。
■第3 回自然環境保全基礎調査(環境庁,平成元年)によると、小石川流域内において特定植物群落は確認されていない。
■焼津市史(焼津市史編さん委員会、2005)によると、焼津市内に野生または自生する植物(維管束植物)は、約1400 種と記載されている。
潜在自然植生図
焼津市の平野部でみられる植物種