河川の利用
糸川水系には、許可水利権として小水力発電用水が1件あり、慣行水利権はない。上水道については、水道開設以前は、糸川、初川、熱海和田川等の上流で川を堰き止め、竹樋をもって各戸へ水を引いていたが、明治16年に日金山麓の湧水を利用した簡易水道が完成し、その後、丹那トンネルからの湧水の利用や柿田川を水源とする駿豆水道の利用が進んだため、現在では河川水は利用されていない。また、河川を利用する共同漁業権は設定されていない。
河川空間の利用としては、地域住民や観光客が川に近づきやすいよう河口付近に川床散策路が整備されているほか、川沿いに整備された遊歩道を活用した「糸川さくら祭り」が開催されるなど多くの観光客で賑わっている。また、河口付近の海岸線では、保全機能と親水性に配慮した熱海港コースタルリゾート計画により親水護岸と海岸線緑地が整備され、多くのイベントが開催されている。
住民との関わり
糸川では、「熱海ブーゲンビリアの会」がまちづくりの一環としてブーゲンビリアの育成管理を行っており、川沿いに約40カ所で植樹している。ブーゲンビリアは春と秋に開花し、南国情緒を醸し出し、糸川沿いを散策する地域住民や観光客の目を楽しませている。