河川環境
流況については、継続的な流量観測が行われていないため不明であるが、これまでに大きな渇水被害は発生していない。
水質については、類型指定は行われていないが、熱海市では環境基準河川C類型の達成(生物化学的酸素要求量;BOD値5mg/l)を当面の目標としており、渚橋、新柳橋、来宮神社前の3地点にて、河川水質検査が行われており、近年のBOD75%値は概ね1~3mg/lで推移し、比較的良好な状況である。
生活排水対策としては、熱海市が下水道整備に昭和26年1月から取り組んでおり、糸川流域を含む熱海地区の下水道処理人口普及率(平成27年3月時点)は、99.3%となっている。
河道の状況は、急勾配の河川であるため、河床や河岸は石材やコンクリートで防護された区間が殆どである。また、河道内には、河床の洗掘を防いで河川勾配を安定させる床止め工や、土石流による災害を防止する砂防堰堤等の横断工作物があるが、魚道は設置されていない。
魚類については、糸川上流ではアブラハヤ、ルリヨシノボリの生息が確認されている。下流部の感潮区間では、「環境省レッドリスト2015」に位置付けられているニホンウナギ(絶滅危惧ⅠB類)を始め、ボラ、マハゼ等の汽水・海水魚が確認されている。また、外来種は確認されていない。
植生については、ヒメツルソバやホウライシダなど河川の護岸壁によくみられる種が多く確認されたが、重要種は確認されていない。