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河川環境の現状と課題

(1) 水質

水質については、類型指定はされていないが、熱海市では環境基準河川C類型の達成(生物化学的酸素要求量;BOD値5mg/L)を当面の目標としており、3地点にて河川水質検査が行われており、近年のBOD75%値は概ね1~3mg/Lで推移し、比較的良好な状況である。流域住民に対するアンケート調査においても、水質に関する問いに対して「きれい」や「どちらかといえばきれい」と答えた回答者が多く見られる結果となっている。
また、流域を含む熱海地区における下水道処理人口普及率は平成30年3月末時点において約96%(事業計画ベース)となっている。
今後も引き続き流域一体となった取組を継続し、水質の保全や一層の改善を図るとともに、健全な水循環の構築に努める必要がある。

 水質観測地点およびBOD75%値の経年変化
水質観測地点およびBOD75%値の経年変化(出典:糸川水系河川整備計画)

 水質についての住民意見(平成30年1月実施)
水質についての住民意見(平成30年1月実施)(出典:糸川水系河川整備計画)

(2) 動植物の生息・生育環境

魚類については、感潮区間である下流部には、汽水・海水魚のボラ、マハゼ、回遊魚であるニホンウナギ、ゴクラクハゼが生息している。重要種としては、ニホンウナギ(絶滅危惧ⅠB類(EN))およびユゴイ(部会要注目種(N-Ⅲ))が確認されている。
一方で、糸川の中・上流部には落差工が多く存在し、落差工の形状により魚類が生息しにくい環境にある。中・上流部の調査では、アブラハヤやルリヨシノボリの棲息が確認されたが、下流部と比較して魚種は少ない状況である。
鳥類は、河口付近において、夏季にはアオサギ、ウミネコ、セキレイ類等の水鳥が多く見られる。また、重要種としては、コシアカツバメ(絶滅危惧Ⅱ類(VU))が確認されている。
両生類・爬虫類については、上流部において、ヤマアカガエルや重要種であるニホンヤモリ(部会要注目種(N-Ⅲ))、ヒガシニホントカゲ(分布上注目種など(N-Ⅱ))等が棲息している。
また、植生については、ヒメツルソバやホウライシダ等の河川の護岸壁によくみられる種が多く確認されたが、重要種は確認されていない。

 糸川流域で確認されている主な重要種
糸川流域で確認されている主な重要種(出典:糸川水系河川整備計画)

 糸川流域で確認されている主な重要種
糸川流域で確認されている主な重要種(出典:糸川水系河川整備計画)

 糸川流域で確認されている主な重要種
糸川流域で確認されている主な重要種(出典:糸川水系河川整備計画)