梅田川水系

梅田川,境川

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河川環境

下流部は川幅が比較的広く、浅瀬(干潟)がみられ、サギ類やカモ類等の餌場・休息場、干潟環境を好むマサゴハゼなどのハゼ類、カニ類や貝類等の生息場所となっている。また、河道沿いにはウラギク等の重要種を含む塩生植物もみられ、良好な汽水環境の特徴を有している。なお近年、河口部周辺でヒガタアシ(平成26年6月に特定外来生物に指定)の分布が確認され、拡大を防ぐために平成23~24年度に駆除対策が実施されている。
中流部は全体的に緩やかな流れであり、ところどころで澪筋の蛇行や早瀬などの河床変化がみられる。水域にはオイカワ、ギンブナ、モツゴなどのコイ科淡水魚が多く、アユ、ニホンウナギ、ウツセミカジカなどの回遊魚も生息する。水際にはツルヨシ等の抽水植物、堤防法面にはセイバンモロコシ、セイタカアワダチソウ、ススキ等が繁茂している。
上流部は直線的な河道で、主にコンクリート護岸で整備され植生に乏しく単調な環境になっている。水域にはオイカワ、モツゴ、ドジョウなどの純淡水魚のほか、オオクチバスやカダヤシなどの特定外来生物も多数確認されている。
重要種としては、ニホンウナギ、マサゴハゼ、ウツセミカジカ、ミナミメダカ、シロチドリ、ナゴヤダルマガエル、ニホンイシガメ、ウラギク等が現地調査により確認されている。また、特定外来生物としては、カダヤシ、オオクチバス、ウシガエル、ミズヒマワリ等が確認されている。河川の利用については、全体的には親水性は乏しいが、河口付近や河道沿いのところどころで魚釣りによる利用がみられるほか、二川周辺では桜並木が整備され、新所原駅周辺では堤防が湖西連峰に至るハイキングコースの一部となっており、散策に利用されている。また、地元有志らによる団体「梅田川フォーラム」により、河川美化活動や観察会等の各種活動が行われている。その他、二川駅周辺で草刈りや河川清掃を行う「梅田川ふれあいクリーン作戦」が毎年実施され、豊橋市の他湖西市からも参加があるなど、県境を跨いだ地域間の連携が見られる。
水質については、生活環境の保全に関する環境基準に係る水域類型のうち、BOD等に関する類型はC類型(基準値BOD5mg/L以下など)に指定されている。環境基準点である御厩橋の平成24年度から平成28年度までの各年のBOD75%値は2.8~3.7mg/Lと環境基準を達成している。一方、上流の静岡県との境にある補助点の飛越橋では、平成24年度から平成28年度までの各年のBOD75%値は4.4~5.7mg/Lであり、環境基準を達成しない年もある。また、水生生物の保全に関する類型は生物B類型(全亜鉛、ノニルフェノール、LAS)に指定されている。環境基準点である御厩橋の平成26年度から平成28年度まで全ての項目において環境基準を達成している。