地形・地質
地形と河床勾配
流域の地形は、中流域は長野、静岡、愛知の県境の山岳地帯、下流域が遠州平野の扇状地を形成してます。流域の北東部に位置する八ヶ岳連峰の赤岳をはじめ、東部は南アルプス間ノ岳、塩見岳等、さらに西部には中央アルプス駒ケ岳、恵那山等の3,000m級の山々に囲まれています。これらは過去からの造山運動により形成されたもので複造山帯と呼ばれ複雑な地史を持ち、急峻な地形は現在もなお隆起を続けています。
河床勾配は、天竜川本川の中流部で約1/300m~1/700m程度、下流部で約1/500m~1/1,000m程度と比較的急流河川です。
河床勾配図
下図は河口より7km付近の断面図です。右岸側に浜松市街地、左岸側に磐田市街地が広がっています。横断形状を見ると、両岸の市街地は天竜川の氾濫減内に広がっている事がわかります。
横断図(河口より7km付近)
地質
流域の地質は、日本列島第一級の大きな構造線である中央構造線や糸魚川静岡構造線が走り、中央構造線より西側の内帯では花崗岩類からなる領家帯、東側は砂岩・粘板岩などの海底で堆積して隆起した堆積岩からなる秩父帯等様々な地質構造が見られます。
地質が脆弱で大規模な崩壊地が多いことに加えて、地形が急峻なため土砂生産が活発であり、大量の土砂は有史以前から谷を下り、遠州平野の扇状地を形成するとともに、遠州灘の海岸線を前進させ、海岸砂丘を形成しました。