治水事業の沿革と現状
中木川は、昭和49年５月の伊豆半島沖地震により、河川護岸等が被災を受け、その後の災害復旧工事により現在の河道に整備された。
昭和51年７月と10月の集中豪雨では、0K280付近の鶴屋橋で流木により河道が閉塞したため、それが原因で越水被害が発生し、浸水家屋９戸に及ぶ被害を受けている。
近年、流木が原因となる越水は発生していないが、平成17年11月の集中豪雨等において、おみや橋付近で浸水被害が発生しており、早急な治水対策が望まれている。
過去の津波被害に関しては、1854年12月に発生した安政地震により中木地区で大きな被害が発生した記録が残っている。また、東海地震による津波被害が想定されており、河口付近の津波対策が求められている。
その後、平成９年の河川法改正に伴い、中木川水系河川整備基本方針を平成20年４月に策定し、中木川の基準地点中木４号橋における基本高水のピーク流量を60m3/sとし、計画高水流量は、基本高水のピーク流量と同じ60m3/sとする計画とした。
東日本大震災を踏まえた静岡県第４次地震被害想定（平成25年）では、発生頻度が比較的高く、発生すれば大きな被害をもたらす「計画津波」※１と、発生頻度は極めて低いが、発生すれば甚大な被害をもたらす「最大クラスの津波」※２の二つのレベルの津波が設定されており、中木川では「計画津波」は河川内を約0.7km以上遡上するとともに、「最大クラスの津波」では、河川及び海岸堤防を越流し、沿岸部で最大約６ha以上が浸水すると想定されている。
※１ 計画津波：静岡県第4次地震被害想定で対象としている「レベル１の津波」
※２ 最大クラスの津波：静岡県第4次地震被害想定で対象としている「レベル２の津波」