基本情報
水系名
中木川水系(なかぎがわすいけい)
河川ごとの紹介
中木川(なかぎがわ)
[延長]800m
[起点]静岡県賀茂郡南伊豆町中条字入間田保1297番地先の仲木橋
[終点]海に至る
河川及び流域の概要
中木川は、南伊豆町の南端である石廊崎に隣接する中木地区に位置し、その源を恒々山(標高297m)に発し、普通河川三舛山川と合流後、三坂(中木)漁港に注ぐ流域面積3.09km2、幹川流路延長0.80kmの二級河川である。
流域は、その大半が富士箱根伊豆国立公園内に位置し、下流部は名勝伊豆西南海岸区域にも指定されている。また、流域の約97%を山林が占め、上流域を小起伏山地、下流域を中起伏山地で構成しており、河口部周辺にわずかに谷底平野の平地がみられ、そこに集落が形成されている。地質的には白浜層群(南伊豆層)に属している。
気候は、伊豆半島の西南に位置するため太平洋の黒潮の影響を受け、夏と冬の平均温度較差が小さく年平均気温が16.6℃(石廊崎測候所1971-2013年平均)と県下で最も温暖な気候に恵まれている。また、年間の平均降水量は約1,800mm(石廊崎測候所1971-2013年平均)となっている。
中木川の上流部は、沿川が畑として利用され、家屋が河川沿いや山裾沿いに点在しており、河川沿いに流域を縦断する主要地方道下田石廊松崎線が走っている。河道は、両岸コンクリートブロック護岸で整備され、河床の土砂堆積部にイヌタデ、ブタクサ、マコモ等が群生している。
中流部は、河川沿いに家屋が立ち並んでおり、河道は、低水路を配置したコンクリート三面張りで整備されている。
下流部は集落が形成され、河川沿いに旅館・民宿が立ち並んでおり、感潮区域である河口部には、ボラ、スズキ類等が生息している。
中木川が位置する中木地区の人口は約220人(H18年)であるが、夏季には観光客が訪れ、人口が一時的に増加する特性がある。世帯及び人口の推移で見ると人口は減少傾向にあるものの、世帯数は近年横這い状況にある。また、高齢化率は13%であるが、災害時要援護者の地域人口に対する割合は2割を上回る。
中木地区の主な産業は漁業が中心であるが、旅館・民宿が多く、観光も産業の一つとなっている。
歴史的には、東西を結ぶ海上交通路の要所に位置していたことから、三坂(中木)漁港は古くから風待港として栄え、東西の文化の流入があった。
河川の整備の基本となるべき事項
1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項
基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスを考慮し、概ね30年に1回発生すると想定される降雨による洪水を対象として、基準地点中木4号橋(0k320)において60m3/sとし、これを河道へ配分する。
河川名 | 基準地点 | 基本高水のピーク流量(m3/s) | 河道への配分流量(m3/s) |
中木川 | 中木4号橋 (0k320) |
60 | 60 |
2.主要な地点における計画高水流量に関する事項
計画高水流量は、基準地点中木4号橋(0k320)において、基本高水のピーク流量と同じ60m3/sとする。
計画高水流量配分図(出典:中木川水系河川整備基本方針)
3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項
主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は以下のとおりとする。
河川名 | 地点名 | 河口からの距離(km) | 計画高水位T.P.(m) | 川幅(m) |
中木川 | 河口 | 0.0 | +12.3※1 | - |
中木4号橋 | 0.320 | +3.11 | 9.8 |
(注)T.P.:東京湾中等潮位
※1 計画津波水位
4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項
流水の正常な機能を維持するために必要な流量に関しては、今後、流況等の河川の状況把握を行い、動植物の生息地又は生育地の状況、流水の清潔な保持等の観点からの調査検討を踏まえて設定する。
(出典:中木川水系河川整備基本方針)