基本情報
水系名
中西川水系(なかにしがわすいけい)
河川ごとの紹介
中西川(なかにしがわ)
[延長]1,200m
[起点]宮下川合流点
[終点]海に至る
河川及び流域の概要
中西川は、流域面積約4.4km2、幹川流路延長約1.2kmの二級河川で、流域の大部分は御前崎市の東部に位置し、上流部に一部、牧之原市を含む。その源を御前崎台地の平坦な丘陵地である牧之原市新庄に発し、西向きに流下した後、牧之原市と御前崎市の市境付近で南に向きを変え、御前崎市白羽地区を縦断するように流下し、遠州灘に注いでいる。
上流部は丘陵性台地に位置し、段丘砂礫堆積物で構成されている。下流部は、海岸線に沿って遠州灘の沿岸流により運ばれた砂質堆積物で形成される砂丘地帯となっている。
流域の気候は、遠州灘から駿河湾に沿って流れる黒潮の影響を受け、平均気温は16.7℃(2002〜2011御前崎気象観測所)と温暖で夏季は高温多湿、冬季は温暖少雨の表日本式気候(太平洋型気候区)に属している。また、年平均降水量は約2,100mm(2002〜2011御前崎気象観測所)で全国平均の約1,700mmを上回る。
流域内の標高は最大で約40mと低いが、中西川本川は、上流部の丘陵性台地区間を河川勾配約1/100程度の急勾配で流下した後、下流部の砂丘地帯に入り、約1/160の勾配で河口まで一気に流下する。河口部においても最深河床高が高く、感潮区間はほどんとない。上流部の台地区間は掘込河道形態で、下流部は築堤河道形態となっている。
流域の土地利用は、市街地19%、畑地67%、水田1%、森林9%、水面・荒地が4%となっており、流域の大部分が畑地として利用されている。上流部の台地は茶の一大生産地である牧之原台地の南端にあたり、多くが茶畑として利用され、下流部の砂丘地帯では野菜の露地栽培が行われている。また、上流部の中西川沿いの平地の一部は、工業用地としても利用されている。
流域の社会環境は、昭和50年に流域に隣接して重要港湾に指定された御前崎港が立地したことから、中西川流域を含む御前崎市の人口が昭和50年頃に急激に増加した。
主要な交通網としては、県道御前崎堀野新田線、佐倉御前崎港線が中西川を横断しており、御前崎港と御前崎市中心部を結ぶ重要なアクセス路となっている。現在、中西川流域の人口は約6千人で、近年、横ばいから微減傾向にあるが、世帯数は微増傾向にある。
上流の丘陵性台地の南端を通過する県道沿いに、密集した市街地が形成されてきたが、近年に至っても拡大しつつある。
河川の整備の基本となるべき事項
1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項
基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスを考慮し、年超過確率1/30規模の降雨による洪水を対象として、基準地点白羽橋においてm3/sとし、これを河道へ配分する。
河川名 | 基準地点 | 基本高水のピーク流量(m3/s) | 河道への配分流量(m3/s) |
中西川 | 白羽橋 | 60 | 60 |
2.主要な地点における計画高水流量に関する事項
計画高水流量は、基準地点:白羽橋において基本高水のピーク流量と同じ60m3/sとする。残流域の流量を合わせ、主要地点:河口において85m3/sとする。
中西川計画高水流量配分図(出典:中西川水系河川整備基本方針)
3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項
主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。
河川名 | 地点名 | 河口からの距離(km) | 計画高水位T.P.(m) | 川幅(m) |
中西川 | 白羽橋 | 0.70 | +6.98 | 9 |
河口 | 0.00 | ※1)+9.9 | 11 |
(注)T.P.:東京湾中等潮位
※1) 計画津波水位(施設計画上の津波水位)
4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項
流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、今後さらに、河川流況等の把握に努め、流水の占用、動植物の生息地または生育地の状況、流水の清潔の保持、景観等の観点からの調査検討を踏まえて設定するものとする。
(出典:中西川水系河川整備基本方針)