基本情報
水系名
初川水系(はつかわすいけい)
河川ごとの紹介
初川(はつかわ)
[延長]3,250m
[起点]熱海市熱海字笹尻1804番の1地先の相の原水源池
[終点]海に至る
河川及び流域の概要
初川は、その源を静岡県熱海市の西部に位置する鷹ノ巣山(標高約700m)に発し、熱海市街地を貫流して熱海港に注ぐ、幹川流路延長3.25km、流域面積約6.8km2 の二級河川である。
流域は、伊豆半島の東側に位置する熱海市の中央部に位置している。
流域の地形は、上流部は湯河原火山の侵食により形成された中起伏の火山地であり、下流域は扇状地性の低地となっている。
流域の地質は、伊豆半島が海底火山群であった時代の地層を主体とし、伊豆半島誕生後の陸上火山時代の地層が高標高部を覆い、中下流部の谷合は未固結の砕屑物や礫層に覆われている。
河道特性としては、河床勾配が中上流部では1/20 以上、下流部においても1/40 程度と急勾配であり、全区間が掘込河道となっている。また、河口部は0.3km地点付近まで感潮区間となっている。
流域の気候は、年平均気温が16℃(気象庁網代特別地域気象観測所昭和59 年~平成25 年)で、全国平均の14.1℃に比べ温暖である。年間降水量は、平均降水量で1,972mm (気象庁網代特別地域気象観測所昭和59 年~平成25 年)であり、全国平均の約1,700mm を上回る。
流域の土地利用は、主に上流に占める山地が約77%、下流部の宅地等市街地が約19%(平成21 年度)となっている。流域内には、東海道新幹線、東海道本線及び伊東線、国道135号や主要地方道熱海函南線が通っており、下流部には熱海市の中心市街地が形成されている。
流域の人口は、約7,700 人である。熱海市の人口は昭和40 年の約55,000 人をピークに年々減少し、平成22 年の人口は3割減少の約40,000 人となっている。また、65 歳以上の高齢者の割合は38.6%となっている。
産業は、平成22 年度の国勢調査による産業別就業者数が、第1次産業5%、第2次産業12%、第3次産業84%となっている。熱海市は、風光明媚な土地や温泉をはじめとする恵まれた地域資源を活かし、首都圏近郊のリゾート地として年間約600 万人が訪れる国内有数の温泉観光地であり、観光が主要な産業となっている。
特に中心市街地は、古くから温泉地としての歴史があり、奈良時代に箱根権現の万巻上人が、泉脈を海中から現在の大湯間歇泉の地へ移したのが熱海温泉の起源と伝えられている。また、徳川家康が慶長2年(1597 年)と同9年(1604 年)の二度に渡り湯治に訪れ、寛文2年(1662年)から将軍御用の汲湯がはじまり、特に8代将軍吉宗の際には9年間で3,643 樽もの湯が熱海から江戸城に運ばれたとの記録があり、当時の湯汲み道中の様子が湯前神社の例祭「献湯祭」で再現されている。明治・大正時代には、熱海御用邸をはじめ、数多くの著名人・文化人が別荘を所有し、熱海は国内有数の別荘地となった。また、近代では、昭和9年に丹那トンネルが開通すると熱海は東海道本線の停車駅となり、以後観光都市として大きく発展した。
河川の整備の基本となるべき事項
1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項
基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスを考慮し、年超過確率1/30 規模の降雨による洪水を対象として、基準地点梅園橋において85m3/s とし、これを河道へ配分する。
河川名 | 基準地点 | 基本高水のピーク流量 | 河道への配分流量 |
初川 | 梅園橋 | 85 | 85 |
2.主要な地点における計画高水流量に関する事項
計画高水流量は基準地点梅園橋において基本高水のピーク流量と同じ 85m3/s とする。
初川計画高水流量配分図(出典:初川水系河川整備基本方針)
3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項
主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。
河川名 | 地点名 | 河口からの距離(km) | 計画高水位(T.P.m) | 川幅(m) |
初川 | 梅園橋 | 1.6 | T.P.+90.4 | 8.0 |
瑞穂橋 | 0.0 | T.P.+6.6 ※1 | - |
(注) T.P.:東京湾中等潮位
※1 計画津波水位
4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項
流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、流水の占用、動植物の生息地または生育地の状況、流水の清潔の保持、景観等の観点を踏まえ、適切に設定するものとする。
(出典:初川水系河川整備基本方針)