基本情報
水系名
萩間川水系(はぎまがわすいけい)
河川ごとの紹介
萩間川(はぎまがわ)
[延長]10,250m
[起点]荒川合流点
[終点]海に至る
菅ヶ谷川(すげがやがわ)
[延長]6,220m
【左岸】
[起点]静岡県榛原郡相良町菅ヶ谷字大沢2920番の1地先(静岡県牧之原市菅ヶ谷字大沢2920番の1地先)
[終点]萩間川への合流点
【右岸】
[起点]静岡県榛原郡相良町菅ヶ谷字大沢2919番地先(静岡県牧之原市菅ヶ谷字大沢2919番地先)
[終点]萩間川への合流点
白井川(しらいがわ)
[延長]2,840m
[起点]静岡県榛原郡相良町白井字五反田799番の1地先町道壱丁目橋(静岡県牧之原市白井字五反田799番の1地先市道壱丁田橋)
[終点]萩間川への合流点
部ヶ谷川(へがやがわ)
[延長]550m
[起点]静岡県榛原郡相良町大字大寄字部ヶ谷川748番地先の部ヶ谷橋(静岡県牧之原市大寄字部ヶ谷川748番地先の部ヶ谷橋)
[終点]萩間川への合流点
河川及び流域の概要
萩間川は、その源を牧之原市東萩間に発し、途中、支川部ヶ谷川、白井川、菅ヶ谷川を合流しながら、牧之原市街地を貫流し、相良港にて駿河湾に注ぐ、流域面積約38km2、幹川流路延長約10kmの二級河川である。
流域の地形は、源流付近に標高170m前後の牧之原台地、中流部には河川により形成された谷底平野が広がり、沿川の所々に河岸段丘が見られる。また、下流域は沖積平野で三角州が形成されている。河口部右岸側は、沖積平野と海岸の間に挟まれて発達した、延長約1,000mもの砂嘴である。
流域の地質は、沿岸の沖積平野と牧之原台地の礫層、その周辺の相良層群と呼ばれる砂泥礫の互層で構成されている。また、女神背斜、新庄背斜など、新第三紀では他に例がない地質構造が見られるほか、日本新第三系では全国でも極めて珍しい石灰岩体(女神と男神)がある。また、支川部ヶ谷川には、太平洋岸唯一の油田である相良油田がある。
現況の土地利用は、宅地が約16%であり、その他、畑・荒地が約26%、水田が約12%、山地が約46%となっているが、今後の流域の開発や交通網の整備に伴い、市街化の進展が予想される。
流域の気候・気象は、静岡県の大部分の地域と同様に温暖で、夏湿潤、冬乾燥の表日本気候を示している。流域の年平均気温の平年値(御前崎測候所1961年~2013年)は約16℃であり、平均年降水量は約2,000mmである。
流域の人口は、牧之原市のうち萩間川流域が含まれる旧相良町では、戦後間もない昭和20年代には約3万人であったが、昭和50年頃には約25,000人まで減少した。その後、平成7年頃までに約27,000人まで増加したが、平成11年頃を境に、近年は減少傾向である。
産業・観光については、萩間川流域がある牧之原市は日本有数のお茶の産地であり、市内には約2,590ha(平成17年時点)の茶園が広がっている。お茶以外の農産物としては、山の斜面ではみかん、平地ではメロン、イチゴ、海岸ではスイカなどの果物栽培が盛んである。
また、萩間川河口部の相良港ではシラス漁が盛んであるほか、地元で「かじめ」と呼ばれる海藻の「さがらめ」は特産物として有名である。
流域を取り巻く交通網は、上流付近を東名高速自動車道が横断しているほか、国道150号が海岸線を通り、国道473号が南北に貫いて、生活、産業、観光等、幅広く利用されている。県道としては、菊川榛原線、浜岡菊川線、相良大須賀線が萩間川の流域を取り囲むように通っている。今後、富士山静岡空港、新東名高速道路、御前崎港の整備に伴い、国道473号相良バイパス、都市計画道路南遠幹線が整備されている。また、広域の自転車道として、「太平洋サイクリングロード」が国道150号に併行して海岸線に通っている。
萩間川流域内には国指定、県指定、市指定の文化財があり、国指定の文化財としては、平田寺に収められている国宝「聖武天皇勅書」がある。
また、現在の萩間川河口沿川にある牧之原市相良庁舎は、かつて田沼意次を藩主とする相良城があった場所であり、旧相良港(現在の萩間川河口部)は、当時、遠州各地の年貢米やお茶を江戸に積み出す重要な港で、塩の道であった田沼街道の基点でもあった。
河川の整備の基本となるべき事項
1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項
基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスを考慮し、概ね50年に1回発生すると想定される降雨による洪水を対象として、基準地点相良(0.2km)において560m3/sとし、これを河道へ配分する。
河川名 | 基準地点 | 基本高水のピーク流量(m3/s) | 河道への配分流量(m3/s) |
萩間川 | 相良 | 560 | 560 |
2.主要な地点における計画高水流量に関する事項
計画高水流量は、基準地点相良(0.2km)及び主要地点河口(0.15km)において、基本高水のピーク流量と同じ560m3/sとする。
計画高水流量配分図(出典:萩間川水系河川整備基本方針)
3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項
主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。
河川名 | 地点名 | 河口からの距離(km) | 計画高水位(T.P.m) | 川幅(m) |
萩間川 | 相良 | 0.2 | 1.55 | 65 |
河口 | 0.15 | 6.40※1 | 66 |
T.P.:東京湾中等潮位
※1:計画津波水位
4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項
萩間川水系全体における既得水利としては、農業用水として約338haのかんがいに利用されている。
流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、今後さらに、河川の流況等の把握に努め、流水の占用、動植物の生息地または生育地の状況、流水の清潔の保持、景観等の観点からの調査検討を踏まえて設定するものとする。
(出典:萩間川水系河川整備基本方針)