流域の地形・地質
流域の北東部には小笠山丘陵の末端が広がり、段丘地形の浅羽台地もみられる。流域の西側を流れる太田川と弁財天川の間に広がる低平地は三角州性低地であり、遠州灘沿岸の同笠海岸は、砂堆列と堤間湿地となっている。この三角州・平野内に形成された自然堤防や砂州、旧砂州に集落が形成されている。
弁財天川の流路を含み現在の地形が形成されたのは、宝永4年(西暦1707年)の宝永地震以降であり、それまでは遠州灘から続く潟湖が現在の小笠山丘陵辺縁まで広がっていた。宝永地震により河口部が隆起したことで潟湖の陸地化が進み、その後の農地整備の進展等によって現在の地形や流路が形成された。
弁財天川中上流部および太田川左岸に広がる平地は、泥(年度)層からなる低湿な三角州性平野で軟弱な地盤である。沿岸の砂堆は厚い砂層から成っており、弁財天川左岸は海岸線から下紙川と丘陵辺縁まで、右岸は前川付近までの範囲で分布している。砂層の分布域と泥層の分布域の間には、砂・泥・礫の互層からなる区域が弁財天川を中心に東西に延びている。小笠山丘陵西縁は未固結の高位段丘礫層、浅羽台地は赤土まじりの低位段丘礫層が表層に堆積している。
地形分類図
出典:土地分類基本調査 地形分類図1/5万 昭和40年(出典:弁財天川水系河川整備基本方針)
表層地質図
出典:土地分類基本調査 表層地質図1/5万 昭和40年(出典:弁財天川水系河川整備基本方針)