安倍川水系

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流域の暮らし

産業

安倍川流域における主要な生産物は、農作物としてみかん、茶、いちご、わさび等があげられます。安倍茶は江戸時代には徳川将軍の御用茶として用いられており、現在においても流域内において茶の生産が盛んに行なわれ、その生産量は全国一です。
工芸品としては、駿河漆器に代表される漆器、鏡台や静岡家具等があり、ドレッサ-・和家具の生産は全国一を誇っています。これらの農産物及び工芸品の生産額は全国でも有数です。
鉱工業としては製紙、金属製品、紡績、缶詰等があります。流域の大部分を占める山地から出荷される木材は、スギ・ヒノキ・マツ・カシ等が挙げられ、その他の林産物としては木炭や椎茸などがあります。

交通

安倍川流域の交通は、上流部の梅ヶ島地域では古くから交易上山梨県側とのつながりが深く、主要交通路も甲州へ通じるものが主でした。これに比べ、大河内村を経由して静岡に至る道はひどく不完全なものでした。
「安倍街道」の改修前には、安倍川を利用した舟運によって荷物を静岡から牛妻まで運び、さらに、そこから舟積みを中継して上流部まで運搬していました。他にも筏を組んで材木を運搬する筏流しが行われていましたが、舟運は道路交通の発達に伴い、昭和初期に廃止されました。
その後、明治10年前後に安倍川通船の便が開かれ、さらに明治17年に大河内渡本より安倍川に沿って道路が開通されたことによって、静岡市側との交易が主となりました。しかし、この路線も断片的で、明治30年近くまでは安倍川の河原の道に頼っており、その通行の困難さは想像を絶するものでした。
大正14年に「安倍街道」は県道梅ヶ島静岡線、県道井川静岡線に認定された後、道路や橋梁の近代化が昭和初期に推進されました。昭和48年に県道梅ヶ島静岡線は「主要地方道29号・梅ヶ島温泉昭和線」に指定され現在に至っています。
大正5年には、主に材木を搬出することを目的として、静岡市井宮と牛妻間を結ぶ安倍鉄道が開設されましたが、昭和7年にその役割を終え廃線となりました。
静岡鉄道による梅ヶ島温泉までのバス路線が昭和34年に運転開始されました。
主な道路交通網は、安倍川下流部の静岡市街地を横断する国道1号、静清バイパス、東名高速道路や海岸沿いを走る国道150号等が東西に発達しています。
鉄道については、JR東海道本線、JR東海道新幹線が安倍川下流部を横断しています。