湯日川水系

湯日川

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治水事業の沿革と現状

湯日川流域では、昭和12年、13年の大洪水を契機として、昭和15年度より中小河川改修事業として岩留橋における計画高水流量を168m3/sと定め、河口から島田市鶴ヶ谷地先までの築堤、掘削等を実施した。昭和57年9月洪水では浸水家屋900戸の被害が生じ、災害復旧助成事業として寺下橋地点における計画高水流量を130m3/sと定め、上流の島田市吹木地先から島田市下湯日地先までの築堤、掘削を実施した。空港の建設に伴い平成4年から平成17年にかけて島田市内の元水橋から吉田町神戸地先の約4.1kmの区間の築堤や河道拡幅などの整備を実施している。概ね年超過確率1/5の河川改修が完了しており、近年において、大きな浸水被害の発生は確認されていない。
津波被害に関しては、嘉永7年に南海トラフ沿いの沖合域を震源とする安政東海地震(マグニチュード8.4)が発生し、東海地方から紀伊半島南東部にかけての太平洋沿岸部で甚大な被害が発生した。吉田町の海岸では5~6mの津波が襲ったとの記録が災害史に残っている。
東海地震により発生が予測される津波対策として、平成2年度からの耐震対策河川事業により湯日川水門を整備し平成12年3月に完成した。
その後、東日本大震災を踏まえた静岡県第4次地震被害想定(平成25年)が公表され、その想定において、発生頻度が比較的高く、発生すれば大きな被害をもたらす「レベル1の津波」と、発生頻度が極めて低いが、発生すれば甚大な被害をもたらす「レベル2の津波」の二つのレベルの津波が設定されている。
湯日川では「レベル1の津波」は津波の遡上対策として整備された湯日川水門により防御するが、吉田町沿岸部では最大約20haの浸水が想定されている。湯日川水門では静岡県第4次地震被害想定(平成25年)に基づく耐震化工事を実施し、平成28年に完了している。
また、「レベル2の津波」では、海岸堤防を越流し、沿岸部で最大約650ha以上が浸水すると想定されている。なお、吉田町は、シーガーデンシティ構想として津波防災まちづくりによる沿岸地域における新たな安全と新たな賑わいの創出を図っており、「レベル2の津波」に対する被害軽減を目的とした吉田漁港多目的広場の嵩上げや国や県と連携した駿河海岸の堤防背後への盛土の整備が進められている。