治水事業
治水事業の現状
和瀬川流域では河川が谷底平野を流れ、河口部平野部においても宅地や農地が地盤高くに位置していることから、近年は河川氾濫による大規模な浸水被害を受けた記録が残されていません。しかし、和瀬川は河口付近の平均河床勾配が1/100程度と急峻で、河床洗掘及び河岸浸食が著しいことから、一定の河川計画に基づいてはいないが、過去の洪水による災害復旧工事や維持修繕工事により現在の河道が整備されています。
ただし、和瀬川は谷底地形を流下する河川であることから、仮に河川堤防を越えるような出水が発生すれば、洪水は河川へと戻って流下するため、主要な交通網が集積する下流部での治水安全度の低下が懸念されます。
河口部では海岸からの打ち上げ土砂により、流水の流下断面が閉塞してしまうことから、状況に応じて堆積した土砂を排除する維持浚渫を実施しています。
現在の由比海岸には高潮堤防（直轄管理）が整備され、東名高速道路、国道１号が通過する最下流部の地形は波浪によって大きな影響を受けることはありませんが、安政元年（1854年）12月に発生した安政東海地震では由比海岸での津波被害の記録が残っています。
和瀬川の整備状況
和瀬川は昭和35年9月1日に二級河川として指定され、整備されています。
和瀬川下流部
津波対策の整備状況
和瀬川河口部には、消波ブロックと高潮堤防のみ整備されており、防潮水門は設置されていませんが、下図の想定東海地震津波高図より、和瀬川流域は東海地震における津波の影響は受けないものと考えられます。
津波による推定浸水域図
和瀬川河口付近の状況