立保川水系

立保川

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基本情報

水系名

立保川水系(たちぼがわすいけい)

河川ごとの紹介

立保川(たちぼがわ)
[延長]700m
[起点]小坂沢合流点
[終点]海に至る
 

河川及び流域の概要

立保川(たちぼがわ)は、その源を沼津市西浦立保(にしうらたちぼ)に発し、沼津市西浦立保地区を貫流して駿河湾へ注ぐ、流域面積約2.76km2、静岡県管理延長約0.7kmの二級河川である。
流域は、沼津市の南部地域の駿河湾最奥部に位置している。
流域の地形は、大部分が火山地に覆われており、下流は谷底平野が河川沿いにわずかに形成されている。流域の地質は、大部分が達磨(だるま)火山噴出物に覆われており、下流のわずかな低地に砂礫層が分布している。
河道特性としては、立保川の河床勾配は、上流区間が1/10、中流区間が1/30、 下流区間が1/90と非常に急峻である。また、全区間が概ね掘込河道となっている。
流域の気候は、静岡県の大部分の地域と同様に極めて温暖で、夏季は高温多湿、冬季は温暖少雨の表日本気候(太平洋型気候区)であり、平均気温は16.1℃(気象庁三島特別地域気象観測所昭和59年~平成28年)と、全国平均の15.5℃に比べ温暖である。また、年平均降水量は1,856mm(気象庁三島特別地域気象観測所昭和59年~平成28年)であり、全国平均の1,718mmを上回る。
流域の土地利用は、中上流部において山林が約83%(平成26年度)、畑・原野が約16%、下流部にはわずかに宅地が分布(約1%)している。
また、土地利用については、近年、大きな変化は見られない。
流域を含む西浦地区の人口は、国勢調査で小地域別統計が確認できる平成7年の約2,300人から年々減少し、平成29年では約1,700人である。世帯数については、平成22年の約680世帯をピークに年々減少し、平成29年では約670世帯である。また、老年人口(65歳以上)の割合は増加傾向にあり、平成29年時点の高齢化率は42%である。
産業は、平成27年度国勢調査による沼津市内浦・西浦地区の産業別の就労人口は、第一次産業が約46%と最も多く、第二次産業が約12%程度、第三次産業が約42%である。
第一次産業は、穏やかな気候と河川沿いのなだらかな傾斜地や山の斜面を利用したみかん栽培が中心となっており、特に「寿太郎温州みかん」は沼津で生まれ育った純正沼津ブランドとして知られている。また、豊かな駿河湾の水産資源による近海漁業や、入り組んだ海岸線による静穏な海での養殖漁業などの水産業も行われている。
第三次産業では、海水浴場やダイビングスポット等を活かした観光業や、宿泊等のサービス業が営まれている。
産業別就労人口については、近年、大きな変化は見られない。
流域の交通については、沼津市口野から伊豆市土肥地区を結ぶ県道沼津土肥線が立保川河口部を横断しているほか、沼津市西浦古宇から伊豆市の戸田峠を通り土肥峠を結ぶ県道船原西浦高原線、戸田地区から修善寺地区に向かう県道修善寺戸田線が通っており、そのすべてが災害時緊急輸送路に指定されている。県道沼津土肥線が洪水や津波、土石流に伴い途絶した場合には集落の孤立が予想されるため、重要なライフラインである。
流域の含まれる北西伊豆海岸地区は「富士箱根伊豆国立公園」の特別地域に指定されており、海岸沿いの斜面はみかん畑となっており、富士山の良好な展望地である。
沼津市内浦・西浦地区では、変化に富んだ海岸部の地形や豊かな自然環境を生かした観光資源に恵まれ、海水浴場や釣堀などがあり、各施設には観光客が訪れている。観光交流客数は平成26年以降年々増加しており、平成28年には約70万人まで増加している。
また、東京2020オリンピック・パラリンピック自転車競技の県内開催を機に、伊豆半島を国内外のサイクリストの憧れを呼ぶ聖地となるようなサイクリング環境の整備も進められており、立保川河口部を横断する県道沼津土肥線は、伊豆半島の沿岸部を周遊し、西海岸からは富士山が望める風光明媚な延長約200kmのルートの一部に位置付けられている。安全で快適なサイクリング環境をつくるため、矢羽根型路面表示の整備などの取組も促進されている。

河川の整備の基本となるべき事項

1.基本高水及びその河道への配分に関する事項

基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスや既往の治水施設の整備規模を考慮し、年超過確率1/30規模の降雨による洪水を対象として、基準地点川窪橋(かわくぼばし)において50m3/sとし、これを河道へ配分する。

基本高水のピーク流量等一覧表
河川名 基準地点 基本高水のピーク流量(m3/s) 河道への配分流量(m3/s)
立保川 川窪橋 50 50

2.主要な地点における計画高水流量に関する事項

計画高水流量は、基準地点川窪橋において基本高水のピーク流量と同じ50m3/sとする。

 立保川計画高水流量配分図

立保川計画高水流量配分図(出典:立保川水系基本方針本文(原案))

3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項

主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。

主要な地点における計画高水位、川幅一覧表
河川名 地点名 河口からの距離(km) 計画高水位T.P.(m) 川幅(m)
立保川 河口 0.00 5.70※
川窪橋 0.42 13.22 7.8

(注)T.P.:東京湾中等潮位
※ 計画津波水位

4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項

流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、今後さらに、流況等の河川における状況の把握を行い、流水の占用、動植物の生息・生育・繁殖地の状況、景観等の観点からの調査検討を踏まえて適切に設定するものとする。

 立保川水系図
(出典:立保川水系基本方針本文(原案))

立保川水系図.pdf/171KB/