筬川水系

筬川,新溝川,会下ヶ谷川

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基本情報

水系名

筬川水系(おさがわすいけい)

河川ごとの紹介

筬川(おさがわ)
[延長]9,950m
[起点]福田沢川合流点
[終点]海に至る

新溝川(にいみぞがわ)
[延長]1,200m
[起点]静岡県榛原郡相良町新圧字反房543番の3地先の町道新溝橋(静岡県牧之原市新圧字反房543番の3地先の市道新溝橋)
[終点]筬川への合流点

会下ノ谷川(えげのやがわ)
[延長]800m
[起点]静岡県小笠郡浜岡町比木字多良ヶ谷3165番地先の正福寺橋(静岡県御前崎市比木字多良ヶ谷3165番地先の正福寺橋)
[終点]筬川への合流点

河川及び流域の概要

筬川は、流域面積約21.0km2、幹川流路延長約9.9kmの二級河川で、流域の大部分は御前崎市の中部に位置し、一部に牧之原市を含む。その源を牧之原台地に発して南に流下し、上流部にて支川の会下ノ谷川と合流する。中流部の低地を蛇行しながら流下して新溝川と合流し、大きく蛇行しながら流下して遠州灘に注いでいる。
上流部の丘陵地は、主に泥質の相良層群の上に礫質の牧之原段丘堆積物が被覆し、中流部は低平地となっている。下流部は遠州灘の沿岸流によって運ばれた砂質堆積物等で構成される海岸平野であり、砂丘地帯となっている。
流域の気候は、遠州灘から駿河湾に沿って流れる黒潮の影響を受け、平均気温は16.7℃(2002〜2011 御前崎気象観測所)と温暖で、夏季は高温多湿、冬季は温暖少雨の表日本式気候(太平洋型気候区)に属している。また、年平均降水量は約2,100mm(2002〜2011 御前崎気象観測所)で全国平均の約1,700mmを上回る。
筬川本川は、上流の丘陵地を約1/90の急勾配で流下し、中流の低地部で1/290程度に流れを緩やかにし、概ね掘込河道形態で流下している。新溝川合流点より下流は1/1,300程度の緩勾配で築堤河道形態となる。また、河口部の砂丘地帯は、沿岸飛砂により大正時代まで流路が頻繁に変化していたが、隣接する新野川河口部で実施されていた人工斜め砂丘が築造されたことで、昭和20年前後に流路が安定している。
流域の土地利用は、市街地が10%、畑地31%、水田18%、森林35%、水面・荒地が6%となっており、農業用地が全体の49%を占めている。流域の大部分は農業振興地域に指定されており、そのうち上流部の丘陵地では茶畑、中流部の砂丘間低地は主に水田、下流部の海岸沿いでは砂地を利用した野菜の露地栽培などに利用されている。また、下流部の筬川右岸は、工業用地としても利用されている。
流域の社会環境は、流域の近傍に御前崎港、浜岡原子力発電所が立地し、これらを結ぶ国道150号が整備されていることから、物流、エネルギー基地としての基盤が整った状況にあると言える。昭和50年に御前崎港が重要港湾に指定され、また、昭和51年には浜岡原子力発電所が運転を開始しており、筬川流域を含む御前崎市の人口は昭和50年頃に急激に増加した。筬川流域における現在の人口は約7千人で、近年、横ばいから微減傾向にあるが、世帯数は増加傾向にある。住宅地は比較的標高の高い中下流部の丘陵地に形成されてきたが、世帯数の増加に伴い、近年は河川氾濫の影響を受けやすい低標高部にも少しずつ拡大しつつある。

河川の整備の基本となるべき事項

1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項

基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスを考慮し、年超過確率1/30規模の降雨による洪水を対象として、基準地点郡界橋において200m3/sとし、これを河道へ配分する。

基本高水のピーク流量一覧表
河川名 基準地点 基本高水のピーク流量(m3/s) 河道への配分流量(m3/s)
筬川 郡界橋 200 200

2.主要な地点における計画高水流量に関する事項

計画高水流量は、基準地点:郡界橋において基本高水のピーク流量と同じ200m3/sとする。新溝川及び残流域の流量を合わせ、主要地点:河口において290m3/sとする。

 筬川計画高水流量配分図

筬川計画高水流量配分図(出典:筬川水系河川整備基本方針)

3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項

主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。

主要な地点における計画高水位、川幅一覧表
河川名 地点名 河口からの距離(km) 計画高水位T.P.(m) 川幅(m)
筬川 郡界橋 2.40 +7.37 32
河口 0.00 ※1)+9.9 35

(注)T.P.:東京湾中等潮位
※1) 計画津波水位(施設計画上の津波水位)

4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項

流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、今後さらに、河川流況等の把握に努め、流水の占用、動植物の生息地または生育地の状況、流水の清潔の保持、景観等の観点からの調査検討を踏まえて設定するものとする。

 筬川水系図
(出典:筬川水系河川整備基本方針)

筬川水系図.pdf/377KB/