稲生沢川水系

稲生沢川,平滑川,敷根川,蓮台寺川,稲梓川,須郷川

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河川環境

水質については、稲生沢川は全区間で河川A類型に指定されており、新下田橋(環境基準地点)と落合浄水場(補助地点)におけるBOD75%水質値は至近10年間(平成15年~平成24年)の全ての年で環境基準値を満足しており、良好な水質が維持されている。
生活排水対策としては、下田市が公共下水道整備と合併処理浄化槽の設置に取り組んでおり、下田市の公共下水道接続率は68.8%(平成26年4月現在)、下水道普及率は約45%(平成26年3月現在)となっている。
河道の状況は、上流部は瀬淵が細かく連続し、流路は狭く細かく蛇行している。中流部は瀬淵が連続し、流路は広く蛇行している。頭首工など横断工作物も多く設置され、魚道が設置されていないものもあることから、アユ等の生物の移動を阻害しない工夫が必要である。
魚類については、稲生沢川上流ではオイカワやアブラハヤのほか、「まもりたい静岡県の野生生物」に位置付けられているアマゴの生息が確認されている。稲梓川ではオイカワ、タカハヤなどの生息が確認され、多くは純淡水魚である。蓮台寺川合流付近ではメダカ南日本集団も確認されており、流入する小水路や周辺の田畑との連続性の確保など生息環境を保全、創出していく必要がある。下流部の感潮区間では、汽水性のシマイサキやボラ等の汽水・海水魚が多く、シロウオ、アユカケ(カマキリ)が確認されている。なお、蓮台寺川が合流する中下流区間では、流入する温泉水による影響により水温が高くなっていることから、グッピーやカワスズメなどの温水を好む外来種の生息が確認されている。
植生は、土砂が堆積した箇所にヨシ類群落が形成されており、上流部ではキンラン、稲梓地区ではウンゼンツツジの生育が確認されている。また、特定外来生物であるナガエツルノゲイトウの侵入が指摘されている。