自然環境
感潮区間である河口部では、河道は5分勾配のコンクリート護岸が整備されており、河床には巨石や礫が堆積しています。礫質河床を生息・生育環境とする重要種のニホンウナギ(静岡県レッドリスト:絶滅危惧ⅠB類、環境省レッドリスト:絶滅危惧ⅠB類)をはじめ、ミミズハゼやアゴハゼといったハゼ類などの魚類やモクズガニといった甲殻類などが確認されているほか回遊魚であるアユやクサフグなどの汽水魚も確認されています。
下流部には、河道に縦断的な落差があっても遡上が可能なボウズハゼやヨシノボリ類といった魚類やそれらを捕食するキセキレイ、サギ類などの鳥類、水域で産卵するトンボなどの昆虫類の生息が確認されています。
上流部に、コンクリート護岸の河道が整備されていますが、背後地より河岸に覆いかぶさるように植生がみられ、シジミチョウ類、タテハチョウ類などが確認されています。また、魚類としては遡上能力の高いボウズハゼやクロヨシノボリが確認されています。隣接する山林には、重要種のオカダトカゲ(静岡県RDB:要注目種(N-Ⅱ))やアカネズミ等の樹林性の生物が確認されています。
流域の植生は、下流域の市街地を除き、常緑果樹園やシイ・カシ二次林で構成されています。
中流域は前述に加え、スギ・ヒノキ・サワラ植林、クヌギ植林が分布しています。上流域はスギ・ヒノキ・サワラ植林、芝地、コナラ群落、クヌギ植林で概ね構成されています。