火振川水系

火振川

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基本情報

水系名

火振川水系(ひぶりがわすいけい)

河川ごとの紹介

火振川(ひぶりがわ)
[延長]800m
[起点]静岡県田方郡土肥町土肥字亀石2863番地先の砂防堰堤(静岡県伊豆市土肥字亀石2863番地先の砂防堰堤)
[終点]海に至る

河川及び流域の概要

火振川は、伊豆市土肥地区南部の山中に源を発し、北に流れて駿河湾に注ぐ、流域面積約0.9km2、流路延長約 0.5kmの二級河川である。
流域の地形は、大部分が急峻な山地であり、下流のわずかな範囲に沖積低地が形成されている。
流域の地質は、伊豆半島が海底火山群であった時代の火山噴出物が大半の流域に分布しており、下流のわずかな低地に砂礫層や泥砂礫互層といった未固結堆積物が分布している。
火振川の河床勾配は、上流部は 1/10程度、中流部は 1/20程度、下流部は 1/70程度と比較的急勾配であり、河道は全川にわたって掘込区間となっている。
流域の気候は、静岡県の大部分の地域と同様に温暖で、夏季は高温多湿、冬季は温暖少雨の表日本式気候(太平洋型気候区)に属している。年平均気温は約 16.2℃(松崎地域気象観測所)と年間を通じて温暖な気候であり、平均年間降雨量については約 1,750mm(土肥地域気象観測所)で全国平均と同程度である。
流域の土地利用は、大半が山林で占め、下流のわずかな低地を宅地が占めている。
流域が位置する伊豆市土肥地区の人口は昭和 25年の約 10,370人をピークに年々減少し、平成 22年では約 4,400人である。世帯数についても平成7年の約 2,200世帯をピークに減少し、平成 22年では約 1,900世帯である。また、老年人口(65歳以上)の割合は増加傾向にあり、平成 22年時点の高齢化率は約 40%である。
伊豆市土肥地区の産業については、就業人口の約 75%が第3次産業に従事しており、中でも「飲食業・宿泊業」の就業人口が最も多い。土肥地区には、土肥温泉や土肥金山、土肥海水浴場等、歴史や自然を活かした観光資源が豊富で、ホテル・旅館等が多く立地しており、西伊豆有数の観光地となっている。
陸の交通は、伊豆半島の中央部と西海岸を結ぶ主要幹線道路の国道 136号が火振川の河口付近を横断している。今後、伊豆縦貫自動車道の延伸とともに伊豆半島内外からのアクセス向上が期待される。
海の交通は、土肥港と清水港の間で、駿河湾を横断するフェリーの定期就航している。平成 25年(2013年)4月、この海上ルートが県道 223(ふじさん)号に認定された。今後、静岡県の新たな観光資源として、交流人口の拡大に期待がかかっている。
流域の河川に関わる歴史や文化としては、火振川流域において、古墳時代から縄文時代のものと推定される宿ヶ根遺跡と火振遺跡が発見されており、古くから人々が生活を営んでいたと考えられる。また、流域周辺の「火振」という地名の由来として、海岸近くにある吾妻神社の祭神である弟橘姫が、東征に向かう夫の日本武尊を見送るためにこの地で火を振ったという言い伝えが残っている。流域付近に位置する土肥金山は、戦国時代末期から江戸時代にかけて最盛期を迎え、周辺に人家が立ち並ぶ様子は「土肥千軒」と称されるほどであった。その後、一度は衰退したが、明治時代末期から昭和 30年代にかけて、最新機械の導入により採掘量を増やし、再び隆盛を極めた。当時の産金量は全国第2位を誇ったが、採算の悪化等により昭和 40年(1965年)に閉山した。現在は観光坑道が整備されており、土肥地区の重要な観光資源となっている。

 

河川の整備の基本となるべき事項

1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項

基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスや既往の治水施設の整備規模を考慮し、年超過確率 1/30規模の降雨による洪水を対象として、基準地点火振ひぶり橋ばしにおいて 25m 3/sとし、これを河道へ配分する。

基本高水のピーク流量等一覧表
河川名 基準地点 基本高水のピーク流量(m3/s) 河道への配分流量(m3/s)
火振川 火振橋 25 25

2.主要な地点における計画高水流量に関する事項

計画高水流量は、火振橋及び河口において 25m3/sとする。

 計画高水流量配分図

火振川計画高水流量配分図(出典:火振川水系河川整備基本方針)

3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項

火振川における河道計画は、沿川の地形、土地利用状況を考慮し、基本的に現況の河道を尊重しながら、河川整備の理念に沿って計画高水流量以下の流量の安全な流下、川が有する豊かな自然や景観の保全、容易な維持管理等が可能な横断形を目指すこととし、主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る概ねの川幅は以下のとおりとする。

主要な地点における計画高水位、川幅
河川名 地点名 河口からの距離(km) 計画高水位T.P.(m) 川幅(m)
火振川 火振橋 0.08 T.P.+1.68 8
河口 0.0 T.P.+8.5※1 -

(注)T.P.:東京湾中等潮位
※:計画津波水位

4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項

流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、動植物の生息、生育、繁殖地の状況、景観等の観点を踏まえ適切に設定するものとする。

 火振川水系図
(出典:火振川水系河川整備基本方針)

火振川水系図.pdf/218KB/