治水の歴史
静岡県を流れる富士川下流部の左岸側には、本堤に対する洪水のエネルギーを減少させるために、川の中に突き出してつくられた堤防「雁堤」があります。急勾配の河口部での洪水のエネルギーは極めて大きいので、堤防だけでは洪水流を制御できません。そのため、雁堤は「出し水制」で水を刎ね、「土堤出し」で水流を減勢し、広大な遊水スペースで本堤を守る仕組みになっています。
この雁堤は50余年の長きに渡る試行錯誤を経て、地元の豪族、古郡氏により確立された技術(見試しの技術)で、富士川の特性をたくみにとらえたものといえます。この古郡氏の偉業を後世に残すため、富士市では、昭和62年から毎年10月第一土曜日にかりがね祭を開催しています。