基本情報
水系名
新野川水系(にいのがわすいけい)
河川ごとの紹介
新野川(にいのがわ)
[延長]10,430m
[起点]静岡県小笠郡浜岡町新野字有ヶ谷3102番地先の町道雷沢函渠(静岡県御前崎市新野字有ヶ谷3102番地先の市道雷沢函渠)
[終点]海に至る
浜岡朝比奈川(はまおかあさひながわ)
[延長]6,200m
[起点]静岡県小笠郡浜岡町上朝比奈字唐沢951番の4地先の町道宮下橋(静岡県御前崎市上朝比奈字唐沢951番の4地先の市道宮下橋)
[終点]新野川への合流点
横舟川(よこぶねがわ)
[延長]3,100m
[起点]静岡県小笠郡浜岡町上朝比奈字二ノ谷3061番の1地先の農道床版橋(静岡県御前崎市上朝比奈字二ノ谷3061番の1地先の農道床版橋)
[終点]朝比奈川への合流点
門屋川(かどやがわ)
[延長]1,400m
[起点]静岡県小笠郡浜岡町新野48番の2地先の県道松橋(静岡県御前崎市新野48番の2地先の県道松橋)
[終点]新野川への合流点
篠ヶ谷川(しのがやがわ)
[延長]2,300m
[起点]静岡県小笠郡浜岡町新野字篠ヶ谷4331番の1の3地先の東沢池堰堤(静岡県御前崎市新野字篠ヶ谷4331番の1の3地先の東沢池堰堤)
[終点]新野川への合流点
河川及び流域の概要
新野川は、静岡県御前崎市西部に位置する流域面積約31.6km2、幹川流路延長約10.4kmの二級河川である。新野川は、その源を牧之原台地に発して南に流下し、上流部にて支川の篠ヶ谷川と合流した後、大きく湾曲して南東に向きを変える。中流部で門屋川、浜岡朝比奈川と合流してから、再度大きく湾曲して南に向きを変え、遠州灘に注いでいる。
上流部の丘陵地には主に泥層の相良層群の上に礫層の牧之原段丘堆積物が被覆し、中流部は泥質堆積物による低平地となっている。下流部は遠州灘の沿岸流によって運ばれた砂質堆積物等で構成される海岸平野であり、右岸側には太平洋側最大級の砂丘である浜岡砂丘が形成されている。
流域の気候は、遠州灘から駿河湾に沿って流れる黒潮の影響を受け、平均気温は16.7℃(2002~2011 御前崎気象観測所)と温暖で、夏季は高温多湿、冬季は温暖少雨の表日本式気候(太平洋型気候区)に属している。年平均降水量は約2,100mm(2002~2011 御前崎気象観測所)で全国平均の約1,700mmを上回る。
新野川中流部は、かつて氷河期以降に海水面が上昇したことにより内湾化し、その後、河口部に形成された砂州により堰き止められ、約6000年前には新野池と呼ばれる池となっていた。新野池は、海面の低下とともに徐々に埋積され低湿地帯となり氾濫を繰り返していたが、江戸時代の慶長年代(1605年頃)から、大石宗兵衛久末、本間惣兵衛清光ら地域の人々の手で干拓されたことで、現在の中流部に低平地が形成された。現在、この干拓地は新野池新田とよばれている水田地帯となっている。
新野川の河道特性は、このような地形の成り立ちを反映している。新野川本川の中流部は、上下流部に比べて河川勾配が約1/400と緩やかであり、3~4m程度の高さを持つ築堤河道となっている。これに対し下流部は、干拓のために堆積した砂州を開削した区間であるため、掘込河道となっている。また、河口部の砂丘地帯は、沿岸飛砂により大正時代まで流路が頻繁に変化していたが、その後の飛砂対策によって現在では流路が安定している。
流域の土地利用は、市街地が12%、畑地27%、水田18%、森林37%、水面・荒地が6%となっており、農業用地が全体の45%を占めている。農業用地のうち、上流部の丘陵地では茶畑、中流部の新野池干拓地を含む平坦地は水田、下流部の海岸沿いでは砂地を利用した野菜の露地栽培などに利用されている。また、下流部は、発電所などの工業用地としても利用されている。
流域の社会環境は、流域の近傍に御前崎港、浜岡原子力発電所が立地し、これらを結ぶ国道150号が整備されていることから、物流、エネルギー基地としての基盤が整った状況にあると言える。昭和50年に御前崎港が重要港湾に指定され、また、昭和51年には浜岡原子力発電所が運転を開始しており、新野川流域を含む御前崎市の人口は昭和50年頃に急激に増加した。新野川流域における現在の人口は約1万5千人で、近年、横ばいから微減傾向にあるが、世帯数は増加傾向にある。住宅地は比較的標高の高い中下流部の丘陵地に形成されてきたが、世帯数の増加に伴い、近年は河川氾濫の影響を受けやすい低標高部にも少しずつ拡大しつつある。
河川の整備の基本となるべき事項
1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項
基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスを考慮し、年超過確率1/50規模の降雨による洪水を対象として、基準地点雨垂橋において390m3/sとし、これを河道へ配分する。
河川名 | 基準地点 | 基本高水のピーク流量(m3/s) | 河道への配分流量(m3/s) |
新野川 | 雨垂橋 | 390 | 390 |
2.主要な地点における計画高水流量に関する事項
計画高水流量は、基準地点:雨垂橋において基本高水のピーク流量と同じ390m3/sとする。残流域の流量を合わせ、主要地点:河口において450m3/sとする。
新野川計画高水流量配分図(出典:新野川水系河川整備基本方針)
3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項
主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。
河川名 | 地点名 | 河口からの距離(km) | 計画高水位T.P.(m) | 川幅(m) |
新野川 | 雨垂橋 | 2.16 | +8.68 | 44 |
河口 | 0.0 | +9.9※1 | - |
(注)T.P.:東京湾中等潮位
※1)計画津波水位
4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項
流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、今後さらに、河川流況等の把握に努め、流水の占用、動植物の生息地または生育地の状況、流水の清潔の保持、景観等の観点からの調査検討を踏まえて設定するものとする。
(出典:新野川水系河川整備基本方針)
新野川流域図.pdf/374KB/