伊東仲川
伊東仲川の沿川は、家屋が密集しているとともに多くの人々が訪れる観光地でもあることから、河川の氾濫や津波による被害の発生が懸念されています。特に、平成16年10月の豪雨では、山腹崩壊や渓岸侵食が発生し、土砂や流木の流出により被害が拡大したことから、その対策が求められています。
また、伊東仲川は、源流から河口までの距離が短く、全区域の大部分がコンクリート三面張りとなっているため、河道内の植生が全体的に貧弱であり、人工的で単調な河川環境となっています。また、水質の悪化が懸念されています。
このように、伊東仲川水系の河川整備は、流域の生活と密接な関係があることを踏まえ、治水・利水・環境のバランスのとれた地域に身近な川づくりを目指します。
治水施設の整備を着実に進めるとともに、山腹崩壊や渓岸侵食の発生により土砂や流木が流出しやすい流域の特性を踏まえ、河川管理の視点から適正な森林管理や土砂災害対策など流域における対策を働きかけます。また、洪水ハザードマップの整備などのソフト対策を講じるなど、流域が一体となった総合的な治水対策を推進し、流域住民が安心して暮らせ、観光客が安心して訪れることのできる「安全で安心して暮らせる川づくり」を目指します。
宇佐美の美しい海岸や富士箱根国立公園に指定されている山々の景色や、やすらぎや潤いを感じる川の風景、刻印石など周辺の歴史・文化との調和を図りながら、人が川とふれあうことのできる身近な水辺空間を創出します。また、伊東仲川本来の自然環境を代表する動植物の生息・生育・繁殖環境の保全・再生を目指します。さらに、懸念されている水質悪化の改善に努めるとともに、地域の活発な河川愛護活動を支援し、地域住民とともに「ふれあいを創出する川づくり」を目指します。
＜基本理念＞
流域や河川において形成されている自然環境や地域の暮らし、歴史・文化との調和を図りつつ、洪水及び津波等に対して、地域住民や観光客等の生命の安全確保を最優先として、森林管理や土砂災害対策等の流域一体となった総合的な治水対策を推進します。
また、水質の改善など、流域や河川における課題を解決するため、地域住民や関係機関との協働による河川整備を推進します。