陰野川水系

陰野川

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治水事業の沿革と現状

陰野川は流域の約7割を山地が占めており、土砂災害による被害が度々発生しており、昭和33年の狩野川台風を契機とした整備など、土砂生産が多い上流域では砂防堰堤等による対策が行われてきた。
近年では、平成16年(2004年)10月9日の台風22号において溢水等により床上浸水4戸、床下浸水22戸の浸水被害や河川の施設災害が発生した。その後、災害復旧事業等を実施したことにより、陰野川の現況流下能力は、一部区間を除き年超過確率1/30規模の降雨による洪水を河道満流で流すことができる安全度を有している。下流部では護岸に近接して家屋が立ち並び、川沿いに集落が形成されていることから、ひとたび河川の氾濫等が発生した場合の被害は大きくなることが懸念される。
過去の津波被害に関しては、安政元年(1854年)に安政東海地震が発生し、内浦海岸の重須区では、49戸中40戸が家財用具流出の被害を受けたとの記録が西浦村史に残っている。
陰野川及び河口付近の内浦漁港では、これまでに津波対策による堤防等の整備等は行われていない。
東日本大震災を踏まえた静岡県第4次地震被害想定(平成25年)では、発生頻度が比較的高く、発生すれば大きな被害をもたらす「レベル1の津波」と、発生頻度は極めて低いが、発生すれば甚大な被害をもたらす「レベル2の津波」の二つのレベルの津波が設定されており、陰野川では、「レベル1の津波」は河川内を約0.6km以上遡上するとともに、「レベル2の津波」では、河川護岸及び海岸堤防を越流し、沿岸部で最大約8.4ha以上が浸水すると想定されている。