自然環境
魚類については、中流域でスミウキゴリ、クロヨシノボリの生息が確認され、上流域ではルリヨシノボリ、クロヨシノボリといった回遊性の魚類が確認されました。レッドリストに位置付けられている重要種は確認されていません。また、外来種は確認されていません。
底生動物については、カゲロウ目やトビケラ目など水生昆虫など生息が確認され、ヒラテナガエビ、モクズガニなど回遊性の甲殻類が確認されました。重要種は中流域で「環境省レッドリスト2020」に位置付けられているナガオカモノアラガイ（準絶滅危惧）が確認されています。外来種は「生態系被害防止外来種リスト」に位置付けられているコモチカワツボ、ハブタエモノアラガイ（総合的に対策が必要な外来種）が確認されています。
鳥類については、カワセミなど魚食性の鳥類や、落差工下流に淵ができる箇所があり水深のある淵やたまりでカモ類などの水鳥の生息が確認されました。重要種は上流域の団地付近で「静岡県レッドデータブック2019」に位置付けられているコシアカツバメ（絶滅危惧Ⅱ類）が確認されています。外来種は、中流域の渓岸の畑地内で特定外来生物に位置付けられるガビチョウが確認されています。
植生については、ヒメツルソバやオニヤブソテツなど河岸の護岸壁によくみられる種が多く確認されています。
石材やコンクリートでほとんどの区間が覆われている堀込河道のため、河道内植生はわずかです。
中流域では低水路沿いにはツルヨシ群集など単子葉草本群落が分布し、上流域では河岸に渓畔林が確認されました。
下流域では、感潮区間が数m～十数m程度であり、干潟や砂州などは発達しておらず、海浜生植物や塩沼植物は確認されていません。
レッドリストに位置付けられている重要種は確認されていません。外来種は複数生育していますが、特定外来生物等に位置付けられる種は確認されていません。